第4話 段ボールハウスに入ってやってきたアンディ(上)
僕ね、優しいお婆ちゃんに買われたの。
30まんえんくらいになります、て今までお世話してくれた人が言ってた。
それでね、何かすごく落ち着く箱に入れてもらったの。
ふわふわの毛布
真新しいオモチャ
すごくしあわせですうすう寝てたんだ。
そうしたらさ、なんだか箱を揺すられてるような……いい子いい子されてるような感触がしたんだ。
よく分からなかったけど気持ちいいなって思った。
それが「車」に乗るってことだって随分あとから知らされた。
「真世が喜ぶわよー」て、優しいお婆ちゃん僕が入った箱を撫でながら言った。
まよ?
まよって誰だろ?
僕の名前?
なんか違う気がする。
外はすごく寒くて
白いものが舞っていた。
ふわふわしてるけど、すごく冷たいやつ。
触ると、なんか蹴散らしたくなるんだよ。
「大人しくしててね」
優しくお婆ちゃんが言う。
大人しく。
その言葉なら知ってるよ。
しずかにしてろ
そういうことだよね?
わかってるよ。
しずかにしないと打(ぶ)たれるから
ぼくはちゃんと理解していたんだ。
そしたらさ、なんか一瞬すごく寒くなって
次に急に暖かくなった
一回、寒い車の外にでて、暖かい部屋に入ったんだよね。
まよ、クリスマスプレゼントがあるよー
優しいお婆ちゃんの声。
なになに? 今年は何くれるの⁈
嬉しそうな女の子の声
そうして、僕の頭上から、さあっと、
光が降り注いだんだ。
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