第4話ランサーvsラディカル戦

「くっ……この……!!」

ラディカルは巨大な赤いピコハンを地面に叩きつけた。ピコハンの側面が接地した瞬間、地面が大きく揺れ、衝撃波がランサーを襲った。だが、ランサーはそれをヒラリと避け、次いで起こった地割れもひょいひょいと身軽に躱していく。大きくジャンプし、空中で一回転しながら着地したランサーは、自分の身の丈ほどあるランスを振りかざし、余裕の笑みを浮かべた。

「お前の攻撃はいちいち動作が大きすぎる。そんなんじゃ、一生俺には当たらないぞ」

「うるさいっ!!そんなこと分かってるし!!てか、なんでお前はそっち側(反オリジナル)なんだよ!!」

再びランサーに突撃しながら、ラディカルは悲痛の叫びをあげた。無闇に振り回されるピコハンを最小限の動きで避けながら、ランサーは哀れみの目を向けた。

「お前には一生わからないよ。馬鹿みたいに振り回される正義では救えないものだってあるんだ」

ランサーがピコハンを真っ正面からランスで弾いた。反動でラディカルはバランスを崩す。その隙を見逃さず、ランサーはラディカルの懐に飛び込んだ。ランスを大きくくるりと回し、柄をラディカルの腹にめり込ませる。

「ゲホッ………!?おえっ……!!」

血を吐きながらラディカルは地面に倒れた。ランサーは的確に破裂させた内臓を腹の上から踵でグリグリと踏みつける。堪らずラディカルはピコハンから手を離し、ランサーの足首を掴みながら悲鳴をあげた。

「あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”あ“あ”!!!!!!!!!」

「ごめんな、ラディカル。俺だって本当はこんなことしたくないんだぜ」

「ら”、ラ“ン”サ“ー………!!」

ランサーはランスの刃先をラディカルの右肩にぴたりと押し当てた。意図を察したラディカルの喉がひくりと引きつり、蒼白した顔でランサーを見上げる。

「俺を信じてくれるか?ラディカル」

「わ、わかったから………。ランサー、それ、置いて………」

「そうか、ありがとう」

ランスがラディカルの右肩を貫いた。右肩から大量の血が吹き出し、ラディカルの顔が血で染まる。あまりの激痛に息が止まってしまったラディカルを、恍惚とした表情で見下ろしながら、ランサーはグリグリと傷口を抉った。

「よっと………」

「いぎいぃ!?」

とうとうブチッ、ゴキッという音とともに、ラディカルの右腕が抉り取られた。

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