第2話アペレンvsパンキ戦

ジャリジャリジャリッと鎖が擦れ合う激しい音が鳴り響いた。パンキは勢いよく縮む鎖を背後に振りかぶりながら、ボロボロの体を力の入らない脚で辛うじて支える。

「情けないな。その程度でオリジナルが守れるのか?」

満身創痍のパンキにアペレンが冷たく言い放った。アペレンはケーブルをゆらゆらと揺らしながら、おもむろにパンキに歩み寄る。二人の距離が1mにまで近付いた瞬間、ヒュッという風を切る音と同時にパンキの体が吹き飛んだ。

「いぐっう……!!ぐっ……がっ……!!」

地面を何度もバウンドしながら、ゴロゴロとパンキの体は転がっていった。アペレンは無慈悲にそれを追いかけ、更に追撃を加える。ケーブルがひとりでに動くと、何度も何度もパンキの体を鞭打った。その度にパンキは苦痛の呻き声をあげ、艶めくパンキの黒い衣装に血が滲む。

「はあーーーー……お前、弱すぎ」

アペレンはゴミのようにボロボロになったパンキに近寄ると、しゃがみこみ、パンキの髪を掴んで無理やり目を合わせた。頭からの出血がパンキの右目を塞ぎ、それでも気丈にパンキはアペレンを睨みつける。

「へえ……まだそんな目するのか。遊び甲斐があるな?」

「……はぁ、はぁ」

パンキは喉からせりあがった血を口に貯めると、プッとアペレンの顔に吐き出した。ベシャッとアペレンの頬に大量の血がかかる。

「しつこいんだよ……ネチネチ男」

「はぁ……あだ名のセンスないな、お前」

大きくため息をつくと、アペレンはぐっとパンキの髪を掴む手に力を込め、地面 に思い切り叩きつけた。

「がっ……!!」

パンキの鼻から血が吹き出す。それをアペレンは完全に無視し、何度も何度もパンキの顔を地面に叩きつけた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る