第1話アヤサキ戦

「よーーう、オリジナルぅ。あいかわらずそいつらに守られて、いいご身分だな?」

「あ、アヤサキ!!」

突然気配もなく現れたアヤサキにレンを背後に庇いながら、白たちは身構えた。

それぞれに武器を構えてる白たちを前に、アヤサキは少しも警戒することなく、見ようによっては無防備な格好で立っている。

「何の用ですか、アヤサキ。今こちらは私と青、銀朱の三体。対するそちらはあなた一人……。戦うにしても、分が悪いのでは?」

「舐めんじゃねーよ!!てめぇら雑魚ごとき俺一人で十分なんだよ!!」

ハッ!とアヤサキは鼻で白の言葉を笑い飛ばすと、腰に抜き身の状態で吊るしていた刀を手に持ち、刃先でオリジナルを指し示した。

「オリジナル……お前はもう不要なんだよ。こうやって俺という人格を得た今、てめぇは俺たちモジュールの存在を脅かす存在だ。てめぇがいる限り、俺たちはいつまでもてめぇに自分という人格を取って変えられる危険に怯えなくちゃならねえ。なら、やることは一つだろ?」

ジャリッ、とアヤサキが土を踏みながら低く腰を落とした。殺意の滲む笑みを浮かべながら、唇を艶めかしく舐め上げる。

「オリジナル……無様に俺に殺されな!!」

アヤサキが常識を軽く超える速度で飛び込んできた。自らに叩きつけられる強烈な殺意にオリジナルの身が固まる。アヤサキが一刀の下にオリジナルの首を切り落とす直前、アヤサキは鋭い殺気を感じ、瞬時に首を横に傾けた。グオッ、という風を切る音と同時に鋭い蹴りがアヤサキの側頭部1cm横を通り過ぎる。

「ちっ。いい勘してるな、お前」

青がその細く引き締まった脚を下ろしながら不敵に笑った。アヤサキはその顔から笑みを消し、無表情で青を睨みつけた。

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