第4話 ヨシュア
レイはマダムユナの家を出て、幼馴染のヨシュアの家に向かった。
ヨシュアの先生、カイ司祭について訊きたい事があった…彼女の家に着くと、ヨシュアの母が出てきた。
「あら貴方からウチに来るなんて珍しい……レイ……実験台になりに来たの??けど今日は日曜日よ!」と言われた。
そうだった……山中で、曜日も忘れて暮らしていると、今日が礼拝日という事も忘れていた……これでは、神のご加護も授から無さそうだが……剣匠の神ハギは戦場での行いが全てであり、剣匠達は常時訓練している事が信仰代わりと考えていた、レイ自身も礼拝などした事が無かった。
「まあ、礼拝はもう終わらってるから、しばらくしたら帰ってくると思うわよ」と言いつつ、レイの前に、一切れのチーズケーキを置いた「……食べる?」と聞いてきた。
聞く前にもう置いてるじゃないか……と言いそうになったが、旨そうなので、言葉を飲み込んで、ケーキを摘み上げた。
「ありがとう」レイは遠慮もせずに一口で食べてしまった……
「……あんた、それは無いわー……」ヨシュア母に呆れられた……
「マダムユナが、泣いてるわよ……」上品なレイの母親を引き合いに出し、ヨシュア母はレイをなじった。
レイは、「めちゃくちゃ旨かったよ、山じゃこんなの食えないから……」と言い、気にも解さない……ほんの少し皿に残ったケーキの一欠片を摘み口に放り込もうとする……その瞬間、レイが開けっ放しだった玄関先にヨシュアが立っていた。
何故か彼女の顔は剣匠の神ハギの様に眉間に皺が寄っていた……と思ったら、笑みに変わった……しかし、どこか心からの笑顔では無い様な……どこかで見た事ある様な……思い出した!!
あれだ……この島には、先人の遺跡が至る所に存在する……そこに在った彫刻だった……アルカイックスマイル……目が笑ってない。
そう思った時にはヨシュアは目の前にいた……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます