第2話

 俺が少女と話し始めてから数週間経った。俺は依然として学校をサボっているし、少女も昼の一時には必ず俺と話していた。

「少女さんよ。」

「なあに?お兄さん。」

 俺はそんな日を繰り返す中で一つ思いついた。

「学校行かないか?」

「……学校?もしかして貴方も行っていないの?」

 俺は少女に学校に行っていないことを言っていなかった。それは少女も同様だったらしい。つまり少女と俺は仲間、ということである。

 俺の提案に少女は俯いた。そんなに学校に行くのが嫌だったのだろうか。

「嫌なら、」

「わかったわ!じゃあ明日、学校が終わったらいつものここで会いましょう!」

 少女が急に立ち上がったのでびっくりした。嫌なわけではなかったのだろうか……?こいつの考えていることは未だによく分からない。

「じゃあまた明日会いましょう。」

 そう言って去って行った。

 ジュース奢るっつったけど正直学校行きたくねえなあ。少女が去って行った後も俺はずっと外にいた。家に帰りたくもなかった。

 外で一人考え事をしていた。

 俺は少女を未だ人間らしいと思ったことがなかった。それは俺の頭がおかしいのか、少女の素振りがおかしいのか。俺には知る気にもなれないことだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る