第7話
?「こんにちわ!」
?「え、同い年なの?」
「…。」
いきなり現れてわちゃわちゃ。
え、双子にしてはそっくり過ぎないか。
え、なんでこの子は豆腐持ってるの。
え、髪型が個性的なのが二人いる…。
もう情報が渋滞してきて、パンクしそうになっている時に留さんが助け舟を出してくれた。
留三郎「お前ら自己紹介しないとダメだろう!」
勘右衛門「すみません先輩。笑
俺は尾浜勘右衛門。よろしくな!」
「よろしく…。」
勘右衛門ね。勘右衛門。
兵助「俺は久々知兵助なのだ。
…豆腐、好きか?」
え、なに豆腐?
八左ヱ門「竹谷八左ヱ門!
生き物は好きか?」
え、なに生き物?
雷蔵「僕の名前は不破雷蔵。
よろしくね!」
こっちが弟かな?
三郎「俺は鉢屋三郎。
不破雷蔵あるとこ鉢屋三郎あり、…ってな。笑 」
「…は?」
あ、リアルに心の声が。
えっと、えっと、…理解不能だ。
目が点になっているところに今度はサラサラが説明してくれた。
仙蔵「要は、この不破雷蔵に変装しているのだ。鉢屋三郎は変装名人なんだ。」
「へー…。
んーと、よろしくお願いします。
勘左エ門くんと八右衛門くんと兵助くんと雷蔵くんと三郎くん?」
勘右衛門・八左ヱ門
「なんか違う!!」
「え?」
八左ヱ門「俺が八左ヱ門で、こっちが勘右衛門だよ。」
勘右衛門「混ざってる混ざってる。笑 」
「え、あ、ごめんなさい…。」
昔の名前って覚えにくいよね。
ってか全然年上にしか見えない。
八左ヱ門って人はクラスに一人はいる小学生の心のままの男子って感じだけども。
……にしても個性的だ。
変装名人に豆腐に生き物にうどん。
覚えらんねぇや。
深緑の人たちも完全には覚えていないのに。
留さんぐらいだよ。覚えてるの。
いや、留さんも違うか。フルネームじゃないもんね。
ちょっとメモしとこ。
私はカバンからメモ帳とペンを取り出し、名前と特徴を書いていった。
・食満留三郎 つり目 深緑
・善法寺伊作 ポニテ 深緑
・立花仙蔵 サラサラ 深緑
・潮江文次郎 隈さん 深緑
・中在家長次 キズ 深緑
・七松小平太 青い髪 深緑
とりあえずこれぐらいかな。
あ、この人たちは藍色の服だ。
・尾浜勘右衛門 うどん 藍色
・久々知兵助 豆腐 藍色
・竹谷八左ヱ門 やきそば頭 藍色
・不破雷蔵 特になし 藍色
・鉢屋三郎 特になし 藍色
これでよし!
…ん?めっちゃ視線感じる。
顔をゆっくりとあげるとみんながメモ帳を覗き込んでいた。
あ、そっか室町時代には絶対ないもんね。
文次郎「それは何だ?」
「こっちの時代の物です。
んー、メモ…って言っても通じないしなぁ。なんて説明したらいいんだろ。」
伊作「何だ、メモ帳なんだ!」
通じた。
なんでよ。
小平太「じゃあその筆の細いやつみたいなのは?」
「え、…ペンって言って、筆よりも便利なものですね。」
小平太「ふーん。」
ペンは通じないんだ。
…もう深く考えないでおこう。
その日はとりあえず医務室で寝て、明日になったら女の教師が世話をしてくれる、と言うことになった。
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