第4話テレビの中

深夜零時、テレビを着けて4・9のボタンを同時に押すと、赤い画面が映し出される。そんな噂を聞き、私も零時にやってみることにした。

ボタンを押し番組が始まると、赤い部屋に一人の人間がパイプ椅子に座らされ、気を失って居る映像が流れた。

黒い仮面で顔を隠し、全身も黒一色に染めた人物は、パイプ椅子の男の太股に、包丁を突き刺し肉を切り取るが、パイプ椅子の男はラリっているのか、顔から冷や汗は出すも動かずになすがままであった。

仮面の男は、切り取った人肉を自らの口の中に入れ、旨そうに食べている。

仮面から見える口元からは、流れた鮮血を舌で舐め、にんまりと笑いながらか(次は、お前だ)と口を動かし、包丁を僕の方に向けると、パイプ椅子の男に降り下ろして、頭部を引き裂いた。

さすがのラリった男もうなり声をあげるが、体は動かずその間も、顔面は引き裂かれ最期は喉仏に刃物を突き刺され、絶命した。

いつの間にかテレビは砂嵐になっており、時刻も二時を過ぎていた。

───────────────────────────

翌朝、知人に昨日のスプラッター映画みたいな番組の話をしたら、「なら、俺も観ようかと」言うので、夜零時前に電話をかけることにした。


「今から、テレビつけるな」


受話器の向こう側から、テレビの音が聴こえ出すと、「じゃあ押すな」と4・9を押したようだ。

──────────────────────────── 僕は気を失っていたらしく、気がつくと椅子の上に座らされていた。

体が動かない、だが、目の前の景色には覚えがある。

あの赤い部屋だ。

僕は、赤い部屋に連れてこられたらしい、部屋の扉が開くと、あの全身黒一色の人物が仮面から笑顔を覗かせ、カメラからは視覚になって見え無いが、奴の口元は「いただきます」と動き、刃物を振り翳す



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