第2話八時の怪

朝になると僕は、何かに見られた感覚で起きる。


しかし、独り暮らしの自分を起こしてくれる人などいないし、ここは二階のアパートである。

誰かが、すんなり外から覗く事なんてできやしないのだ。


・・・・・・ストーカー・・・・・・


誰かが、自分を見つめているのではないか?

カーテンを開け外を見つめるが、人の気配はなかった。

その次の日も、また次の日も、朝八時の目覚ましの音と共に、誰かに覗かれている感覚がある。

ある日、彼女が家に来ると、僕のベッドに一緒に寝ることになった。

始めて愛を交わした次の日、彼女の悲鳴で起きた。

彼女が外に逃げた後は、目覚ましの八時のチャイムが、けたたましく鳴っていた。

その後、LINEで『いったいどうしたの?』と送ると、彼女の返信は『あの時計の目玉何なの?気持ち悪い』と書いていた。

目覚まし時計は、母からの独り暮らしの時に貰ったものであった。

その母は、一週間前に死んだ。

その視線が母の者であれば、明日の朝、母に会いたい思いでいた。

次の日の朝、目覚ましを見つめると、八の間の穴の部分が立てに開き二つの目玉が現れた。

私は、目覚ましの音を止めたあと、ゴミ箱に捨てた。

何故なら、母の目玉にはアザがあった。しかし目覚まし時計の目玉には、アザは無かった。

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