『もうこれ以上フラグを立てるな!』byすずらん
〜あらすじ〜
道で拾ったポスターの所為で異世界に転移してしまった旗田裕貴(16)。
流れで勇者として活動をする羽目になるのだが……。
意味不明な「フラグ査定」というスキルを持ち、色々と振り回される!
とにかく変な仲間とフラグに振り回される裕貴による、異世界バトル(?)ファンタジー、ここに開幕!?
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〜第一話〜
俺___
息を吸いこみ
肺を空気で満たし
声帯をぶっ壊すくらい震わせて_____俺は叫んだ!!
「……どうしてこうなったあああぁぁぁーーー!!??」
* * *
話は数時間前まで遡る。
俺は休日だからと言って特に何をするわけでもなく怠惰に時間を貪り食って、コンビニにアイスを買いに行き、家に帰る途中だった。此処で一つ言っておこう。決して暇人ではない。ニートでも引きこもりでもない。断じて、だ。
そして色んなフルーツの味がするアイスを買ったその帰り道、俺はただ何となく目の前に落ちていた1枚の紙を拾った。
『勇者募集中!』
はい、意味が分かりません。
勇者とかどこぞのラノベだよ……と思わず鼻で笑ってしまった。
そのポスターの『内容』にはあまり興味がなかったが、『イラスト』が割かし自分好みだったから持って帰ることにした。
歩き続けて3分ほどで愛しの我が家に着いた。そして自分の部屋に入り壁びっしりに貼られた他のゲームやアニメのポスターと同様に、コレクションの一部にしよう……と思ったが残念ながら既に壁にはスペースがなかったので、仕方なくドアに張ることにした。
「はぁ……飲み物取りに行かないとな」
で、部屋を出ようとドアを開けると___そこは見知らぬ街だった。
……いやいやいやいや! どこ○もドアじゃあるまいし、ってかもう扉無くなってる!? おーい、俺の部屋どこいくねーんっ!
おい、なんで皆が揃いも揃って期待の目でこちらを向いてるんだよ。なぜか、全員グーパンチしてやりたくなってきたぞ。
「勇者様!」「ついに勇者様が!!」「おお神よ!」
口々にそんなことを言っているものだからこめかみに青筋が浮かんだ。
馬鹿かよ、俺、ラノベ主人公とかそんな性格じゃねぇぞ!? なんでこんな目に会わなくちゃいけないんだよ!?
俺なんかしたっけ? いや、してないな。……多分。
だとしても、なんで部屋のドア開けたら街なんだよ!? 意味が分からねぇよ!
******
そもそもなんで勇者なんだ?
心当たりは……あーあるわ、それも……2つも。
まず1つ目、俺の服だ。俺の趣味の1つでもある変なTシャツ(所謂ふざけT)。そこには、
『我、伝説の勇者(笑)なり』
と、書いてあるのだ。
これのせいでここに来たなら俺はいますぐにでもこのシャツを燃やしてやる。
異世界ファンタジーものの小説とかゲームは好きだ。この上なく好きだ。けど、やってみたいなんて思った事などただの一度さえない。
そして2つ目……例のポスターだ。
さすがにないと信じたい……けど、どうもあれっぽいんだよな……戻ったらさっさと破ってゴミ箱行きにしよう、うん。
本当にさ、あと数時間でゲームのアニバーサリーイベントが開催されるんだから勘弁してくれ。
これは夢だ、夢に違いない、夢のはずだ、夢以外ありえない、夢の中なんだ!
「ようこそ勇者様!さあさあこちらへ!」
ナニイッテルカワカリマセン。オレ、ニホンジン、ユウシャジャナイ。オーケー?
「ほらほらまたー謙遜なさって~あなたが勇者に選ばれたんですから堂々となさっていいんですよー」
謙遜なんてしてないし、俺は知らない、何も知らない。……はよ帰りたいんだが、
「ゆ・う・しゃ・さ・まー!」
「あーもううっさいな! 勇者じゃないって! 一般人だから!? 俺、なんの能力もないただの凡人だから!!」
あ、やべっ、ついノリで反応してしまった。何やってるんだ、俺…………
「勇者は勇者です!その御召し物と扉から出てきたところを見ると確実に勇者様です!」
おい、なんて野郎だ。こいつ、ちゃっかりフラグ回収まで丁寧にしやがって……どんだけ俺の心をへし折りたいんだよ。
それにこの服装だからって、今までの勇者らどんだけダサいんだよ。
……おい、なに「それはお前もだろ」って目で見てるんだ、やめてくれ。
「なんで、俺が勇者なんですか!」
「やっと見つけた勇者様ですから!」
あークソっ! 応対しっかりしろよ! おめぇ、さてはNPCだな!?
「それはですねー_____」
……はぁ、またここから長ったらしくてスキップ不能とかいうチュートリアルの始まりってか?あー楽しみにしてたゲームイベントが……。
いよいよ絶望しそうだったが、誰かがズカズカと入り込んできた。
「おっ?おっ?おぉ?なんだ、勇者じゃねぇか!」
え、誰だコイツ。まぁ、チュートリアルが中断されたのはいい事だがな。
てか、黄緑の髪とかなんだよ。こんなのリアルにいねーっちゅーの。
まじで異世界とかやめろよな?
これは夢だから!なっ?
「もうコイツほっといていいからこっち来い!」
あ、喋ってる人放置でいいのね。それならそうと先に言ってクレメンス。
「って、どこ行くんだよ」
「いいからいいから、こっち来いよ」
__そして俺はそいつに連れていかれた先にて冒頭のセリフを叫ぶことになる。
* * *
「ほれ着いたぞ」
目の前にはギルドとかのありそうな酒場というか飲食店。
入ると冒険者みたいな奴らが沢山居た。しかも、エルフやらドワーフやらリザードマンやらまでいる始末だ。
もう認めざるを得ない、ここは……間違いなく異世界なんだ……はぁ、ここでもまたどうせ___
「ようこそ!勇者様!」
「ゆうしゃー」
「勇者様〜こっちを見て〜!」
あぁ、そうだろうと思ってたよ!
あーもう帰りたい!!
そもそも……、
「……どうしてこうなったあああぁぁぁーーー!!??」
そうだよ、自分のせいだよコンチクショー!!こんな服を来てる時にあんなポスター持ってくるんじゃなかったよ!
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すずらんさんの『もうこれ以上フラグを立てるな!』でした
はっきり言います……ネタに走りすぎました。
元の1話とは雰囲気がえぐいくらい違います
楽しめたでしょうか?
リンクはこちらから!
https://ncode.syosetu.com/n8791dv/
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