第5話
「ん…」
目を薄らと開く。眩しい木漏れ日のような光が、霞んだ視界の中でゆらゆらと揺れているのが見えた。
目を擦り、体を起き上がらせようとする。
「ん?」
勇太は体を勢い良く起こした。
寝ていた場所を確認すべく、返り見るとそこは地面だった。
勇太は辺りを見渡し、軽くパニックになる。
そこは見知らぬ林の中だった。
なんでこんな所に…、勇太は先程までしていた事を思い出そうと頭を抱えた。
「あっ、起きた!」
思い出そうとする前に、声が聞こえた。
勇太はその声の主を見上げると、木陰からひょっこりと覗き込んでいた声の主であろう少女は笑っていた。
「…誰」
勇太は見覚えのない顔のその子に、そう聞いた。
「私は花子、みんなからそう呼ばれてる!」
そう言った少女は木陰から出て、勇太の前に立った。
聞き覚えのあるその名前に、疑問を持った途端に勇太は叫んだ。
「花子!?」
そんな勇太のリアクションを見た花子は声を上げて笑った。
勇太は訳が分からなくなり混乱し、目が回ったようなクラクラとした感覚によって軽く頭痛がする。
「まぁまぁ、落ちついて?それより、あなたにはやるべき事があるの」
花子はしゃがみこみ、勇太と視線を合わせた。
「やるべきこと…?」
花子は頷くと、勇太の手を引き、立ち上がる。
その子供とは思えない力で引っ張られた勇太は、その勢いで立ち上がった。
「そう、あなたに過去を変えて欲しいの!」
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