第10話 ARRIVAL

第10話


   ARRIVAL   著作者:乙音メイ


  1946年9月27日に、唐船で海を渡ってきた台湾北朝鮮中国山海賊流刑密入国者60人のうち、若い台湾山賊、女1人男4人の計5人グループの本名が判明した。


 国籍は5人とも台湾、後の中華民国。(若者5人の親も残り55人の山海賊の中にいる)


①常に主犯格の女『いちばん東の西のエデン』では、通称「悪いおんな1世」とする:ワン蝓李ユリ


②その内縁の夫妻王ワン蝓李ユリより2歳下:レンキワ


ワン蝓李ユリの、父を同じくする四歳違いの弟:ワントナ


ワン蝓李ユリより一つ年上。1951年1月1日部屋割りのことで4人によって腰ひもで絞殺され、77番バス停近くの屋○島森林管理官舎の裏、柿の木の斜め後ろに埋められている:圃・与行ポ・ヨアン


ワン蝓李ユリより一つ年上:仁輿・ニコシ・キ


   *


 名前の意味(山賊の親が我が子につけたとすれば、ざっとこんな感じか)


①カタツムリ捕る振りしてスモモを盗め。「李下」から推測。

②流し目で母性本能をくすぐり女の下で楽に生きて行け。

③その道の王となれ。

④仲間になって与えられる人となれ。

⑤おきての中にあれ。


   *


 名前の変遷(殺人をして奪取した戸籍名) 


①本名 王・蝓李ワン・ユリ:父、ワン几于キウと母、ワン旧姓 几廼多キノタ世久セクとの間に蝓李ユリが生まれた。父が10歳、母も10歳のときの第一子だった。山賊たちは山に暮らすコヨーテのように野生のヒトたちだった。肉食動物が、草食動物の島に来てしまった。

 王・蝓李ワン・ユリの名前のまま、一四歳の時に、二つ年下の楝・レン・キワの内縁の妻となった。


○秋子

(犠牲となった旧姓○《○○○》秋子さんは船宿「○屋」の若い経営者「○菊○郎」の妻となり、○姓に入籍した宮○浦出身の方。○子という秋子の妹は姉を探していたが、結婚して今は島外に存命中)

 王・蝓李ワン・ユリは、1946年9月29日未明に、夫婦二人で経営していた船宿「○屋」を襲った。若い新婚夫婦を使用人兼日本語教師として、自分たちが日本語を話せるようになるまでの間の1年3ヶ月生かし、5人グループはそこを根城にしていた。

 1948年1月1日、秋子さんに「魚のたたき風すり身」を作らせて、蝓李ユリがそれに砒素を混ぜた。何も知らない秋子さんに、「すり身」を77番バス停近くの屋○島森林管理署官舎に届けさせた。戻ってきた秋子さんと菊○郎さん夫婦にも砒素入りの「たたき風すり身」を食べさせて殺害した。

 王・蝓李ワン・ユリは秋子さんの戸籍を使用し、なりすました。


草○秋○

(旧姓○《か○ぎ》秋○に戻り、後に屋○島警察署長となる草○ ○助と入籍。)

現在に至る。夫婦共、鹿児島市○ ○丁目○番地で存命中。




②本名 楝・レン・キワ

○ 菊○郎(船宿「泊屋」の若い経営者の戸籍を奪取)


荒○菊○郎(後に屋○島警察署長となる前の警察官草○○助の妻と、できちゃった婚で、婿として入籍)現在もこの戸籍で安房川の右岸の家で存命中。旧姓の○ 菊○郎の戸籍は他の台湾山賊(現在も存命中)に売り渡した。安房に「菊○郎」名は二つはあることになる。後に山賊たちの間でこの名にあやかろうと、名付けた。子孫たちの間でも、たくさんの「菊○郎」さんが流行っている。




③本名 ワントナ

真○基○

(77番バス停近くの屋○島森林管理署官舎の毒殺された職員の戸籍を奪取)現在もこの戸籍で安房の安房川の右岸の本名仁輿・ニコシ・キ家の後ろの家で存命中。




④本名 圃・与行ポ・ヨアン:本名のまま死没。ポ・ヨアンには、妻帯者の戸籍は、妻が逃げていたので後々問題が出てきそうだと分かっていた。それで喧嘩になった。仲間割れで4人に殺された。




⑤本名 仁輿・ニコシ・キ

磯○功○郎

(77番バス停近くの屋○島森林管理署官舎の毒殺された職員の戸籍を奪取)現在もこの戸籍で安房の安房川の右岸の家で存命中。


   * 


繫がり(その一部)


* ワン蝓李ユリが十歳の時、実父(二歳)との間に、双子の長男、次男(この次男は日本人が敬愛する○貞○さん、素晴らしい人柄に成長した。異父兄弟間で白と黒の兄弟対決ができるほどの人物である。自分の親族の犯罪行為を諌め、沈静化に向けて一役も二役も買って出てくれる人物として誕生)を出産。~娘の主産の後、実母(二十歳)は10歳の娘が生んだ双子を引き取り、グループ内の男性とのところに避難。後にこの男性と世帯を持ち自分たち夫婦の子供と、分け隔てなく大切に育てた。

 ワン蝓李ユリは一一歳の時にも、実父との間に次に長女、次女、三女の三つ子を出産。そして、12歳で四女を出産。10歳違いの実父との間に計6人を出産したことになる。~三女と四女は赤子の時に死没。蝓李ユリが生んだ長男、次男、長女、次女の四人すべては、蝓李ユリの実母とその再婚相手が養育した。


* 内縁の夫、レンキワとの間に、男児を設ける。この二人の間に出来た息子は、後に、自分たち五人グループで殺した77番バス停近くの屋○島森林管理署官舎の毒殺された当時19歳の既婚者職員○田○作、生きていることになっているので21歳の戸籍を、0歳のときから生きるのである。毒殺のあった時、逃げ延びた○田○子という妻17歳の戸籍は、ワン蝓李ユリの実母に渡した。だが、そのとき○田○子は危険を感じて、既に東京に移住していたのだ。私の二人いる母のうちの、産みの母である。

 屋久島の安房から東京に移住後、数年たって心機一転、新しい恋が始まった。芸術家肌の東北出身の男性と知り合った。ふたりは戸籍的な障害を乗り越えて結婚した。男の子と女の子が相次いで生まれた。女の子は私である。



   *



ワン蝓李ユリは内縁の夫、レンキワと別れ、77番バス停近くの森林管理署官舎に登山客のアメリカ人を泊めて、関係を迫った。同じ頃屋○島警察署長となる警察官の草○○助とも深い関係になり、お腹に子供ができたことで結婚を迫り、元の妻と離婚させて入籍し、草○秋○と名乗る。産まれてみたら長男はアメリカ人登山客との間に出来た赤ちゃんであったが大切に育てられた。ハンサムな男子に成長し、有名俳優となった。これが草○正○さんである。後に有名俳優草○ ○さんの父となる。このお二人も○貞○さん同様にホワイトナイトとして立ち上がってくれるために準備が出来ている人物。


 草○○助との間に出来た初めての子が屋○島森林管理署職員4名と舅姑の計6名を毒殺した「悪いおんな2世」。ワン・蝓李が生んで現在、生きている実子は総勢7人である。




②妻、ワン蝓李ユリと別れ、屋○島警察官の草○○助の妻とできちゃった婚をし、妻の旧姓の荒○姓になった。長男は現在の屋○島町長。次男は前の安○区長で、仲間の台湾密入国者で役場の大○さん27歳を、2019年1月1日、砒素入りの魚のたたきで殺害した。




③2世は「○○○ん&キャンプ場」「グ○○ンホテル」経営者。宿泊客をナイフで脅すレイプ王。十人以上の被害者がある。




④○田○作の名で日本人に成りすます間もなく、仲間に自らの命を与えてしまった。




⑤2世は「屋○島○動産」経営者。屋○島森林管理署の不動産を5人で強奪したのが手始めで、以降も、味を占めて役場の建物を奪取することを繰り返す。仲間で殺した他人の戸籍を使って持ち主に据え、好き勝手に不動産販売や賃貸契約の仲介をしている。土地代金は、経営者磯○の元に、家賃などの賃貸料は「悪いおんな1世」ワン蝓李ユリの架空口座に振り込みがある。


   *


 驚いたことに、屋久島の人はこれらのことの7割程度(2019年4月時点では8.5割に増加したという)を知っているらしい。誰かがやって来て、屋久島をきれいにしてくれることを信じて、じっと耐えてきたらしいのだ。




**************************************



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る