第8話 ■翔子■ 今日くらい弾けてもいいよね!

 めちゃくちゃ強いお酒でめちゃくちゃ熱いステップ。

 たっちゃんと向き合い汗をかく。


 私は相変わらず床から5cm浮いているけれど、たっちゃんはさらに浮いているのが伝わってくる。浮くというより飛んでいるのかもね。それにしても雪駄とはねぇ。


 私はこのとき、とにかく無心でいたかった。

 不安を捨て面倒なことは何も考えず、ただただステップを繰り返して汗をかき、心にしこった闇をデトックスしたかった。


 熱い、そして暑い。


 汗がフロアに飛び散る。


 この汗と共にすべてをリセットできたらどんなに楽になれるだろう。



(忘れたいよね)


 心の中でそう繰り返しながら、私はJ・Bの熱いシャウトに身を委ねていた。

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