超現実的日記

宮崎啓人

I dreamed a dream.

 理想を追い求めた子供。あの万能感は無知ゆえだったのか。。


 なんとも卑小で残念な悟りを得てしまった青年。これもまた人生の滋味なのだとごまかして昇華させ、ほんの少しの間、自分の目をくらませたかと思ったけれど、けっきょく、なんとも通俗的でありふれた現実を知ってしまった。


 ある先輩に言われた。

「君ならもっと、、、もっと昔はいたのに。。。」

 きっと彼は「とがっている」を僕が思うほどの尖り具合を指して言っていないのだろうが、僕は、昔見た夢(なんとかなしい言い方だろうか、昔見た夢……)の引力によって、ほんとうにまっすぐに切れ味刺し味の完全な、完璧なを、脳裏に描かずにはいられないのだ。


 このままで良いのだろうか。。良いかどうかなんて、つまらない人為的価値判断に大した意味はないわけだが。。それはそうとして、素直に考えれば、もっと良いことができるのではないか。ではどうすればいいのか。必死で考えれば、努力すればいいのか……。しかし現実には、こう頑張ったところで、できることの限界を感じられるようになってしまったのだ。要するに、もう昔のような万能感はなくなってしまったのだ。


 見果てぬ夢を見させる、という拷問を受けているのかもしれない、などと、また詩的な言い方でごまかしている自分に気づきつつ、苦しくなっている哀れな自分が客観視できてしまう。


 結局こうやって、小説だか日記だかよくわからないものを書きたくなるのも、こういう気持ちから来ていることなのだ。

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