第4話

 さて、妻にこんなことを考えられている夫は一体どんなことをいつも考えているのでしょうか?実際に聞いたことがないので夫の本心は分かりませんが、子供が分析するに


【父、何も考えず毎日を過ごす】


なのです。


子供は冷静によく親を見ています。


それは父であったり母であったりするので油断できない目です。実際いろんな家庭の事例の中で子供の目はとても鋭く、時には親の仲裁まで出来る力を持っているものです。


子供の性格にもよりますが、親の不仲を見ているのが嫌で家に寄り付かなくなる子供も居れば、夫婦間のクッション的役割を担う子供も居ます。


共通して言えることは【親が子供を巻き込んでしまっている】と言うこと。


ある助産婦さんに【子供は親を選んで生まれて来る】と言われたことがあります。どんな家庭であっても子供はその親を選んで自分の役割を果たすために生まれて来るのだと。


本当にそうだとしたら子供と言う存在は親よりたくましく偉大だと思います。その言葉の通り、子供の存在が夫婦喧嘩や離婚を引き留めていることも少なくありません。


笑美も子供を通じて知り合えた人たちの話を聞くと、子供が居るから頑張れるという人は本当に多いのです。子供が生まれていなければきっととっくに別々の人生を歩んでいるだろうという人は本当に多いのに驚かされます。


外から見たら仲のいい夫婦でも家庭内を覗いたら驚くほど冷め切っている家庭もきっと少なくないのかもしれませんね。


 笑美もこの関係を外には持ち出さないようにしています。実際、夫の実家で何かがある時には一緒に行動もしますし、夫が出来ない夫の実家でのことも良き妻として行動します。家庭内でほとんど内容のある会話をしていない夫婦とは思えないほど良き妻に変身するのが外面です(笑)


しかし面白いことに家庭外と家庭内との妻の行動言動の変化になんの違和感もなく接するのが笑美の夫なのです。家庭内で必要最低限の会話しかしてない妻が外では普通に話しかける違和感は夫にはないのでしょうか?


おそらくないんです。


笑美の夫は子供の分析通り【何も考えず毎日を過ごす】ので日々妻の対応が違っても何も感じないようです。そこはある意味、楽でいいのですが一家の主たるもの、何も考えないで過ごしていていいのかは疑問が残ります。


 何も考えないと言えば、現在笑美の家庭は収入のすべてを笑美が管理しています。こんなにすべての収入を妻とは言え血が繋がっていない他人にさらけ出しても何も感じないのでしょうか?


収入はお給料しかないのでそのお給料が毎月銀行に入ってしまうし給与明細もしっかり妻に提出する夫。


資産丸見えです。


サラリーマンの悲しいところは明細にすべて書かれていて隠せないこと。笑美の夫の会社にはそういうシステムはありませんが、会社によっては財形貯蓄などが出来るところもありますが、そういうものでさえ給与明細にはしっかりと記載されてしまいます。黙って貯金出来る立場は実は妻の方だったりするのです。


 笑美が以前勤めていた会社にはこの財形貯蓄のシステムがありました。そこで笑美はしっかりと貯め込んでその会社を退職する時には退職金の他に財形貯蓄も入って来て、大変助かりました。


現在の貯蓄意識もこの会社での経験が生かされているようです。さすがに自分でお給料をもらっていた頃の額を毎月貯めることは無理ですが、その1/10~2/10くらいは何とか捻出して貯蓄に回しています。


いつか夫から解放される日を夢見て。この貯蓄、バカになりません。


万単位ではなく千単位ではありますが意外と貯まる。無理をしていないからその金額はなかったものとして考えられる額なのであてにもせずに生活し、気付けばまとまっているという感じ。


少しでも余裕があれば、夫が不慮に道路交通法違反で警察に税金以外の募金をしてもそこから出せて生活費に影響を出さないようにも出来ますし。


夫には「生活費から立て替える」と伝えておけば、食事も手抜きが出来て、しかも文句も言われないという一石二鳥の技も使えるのです。お金は大切なものですからね。


家庭を持つということは突然の予定外の出費にも対応しなくてはいけないということ。それが出来ないのは家計を預かる者としては半人前になってしまいますからね。


 お金の事ばかり書いてしまうと笑美の家計が丸見えになってしまうので一旦ここで終わらせてもらいます。

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