5話 報告します
戦いの後、私たちは駐屯地に帰投した。
「あぁ!シャーマンおかえりなさい、直ぐに修理をと言いたいんですけどパーシングさんが先に報告を聞きたいと言っていたので、司令室に行ってください」
ボロボロになった私は、駐屯地に戻ると1人の女の子に案内された。
「分かりました、ありがとうございます」
女の子に言われた通り、司令室に向かった。
「あれ?フェルディナンドさんも来るんですか?」
横からは、飲み物を飲みながらフェルディナンドさんがついて来ていた。
「うん、私も遊撃部隊の隊長として報告しないといけないからね」
フェルディナンドさんはまた、手に持った紙パックの飲み物をを飲み始めた。
「ほら、着いたよ」
話しているうちに、着いてしまった。
コンッコンッ…ガチャ
「失礼します!遊撃部隊隊長フェルディナンド入ります!」
「偵察哨戒部隊シャーマン入ります!」
指令室では、机に座って地図を睨んでいる司令官とパーシングさんがいた。
「ん?あぁ二人とも任務ご苦労だった。早速だが、報告をしてもらっていいかな?」
パーシングさんが、こちらに向き直った。
「は、はい!それは報告します。私たち偵察哨戒部隊は、索敵陣形に展開し哨戒を開始しましたが途中、陸貴の補給基地を発見しこれを偵察していたところ、突然自走砲型の陸貴から砲撃を受け数名の兵装が破損、その後陸貴から追撃を受けその中に通常の陸貴とは違った個体に攻撃を受け、T-34が大破攻撃不能になりその後も攻撃を受け続けました。そして、フェルディナンドさん率いる遊撃部隊が到着したため陸貴を殲滅し帰投することが出来ました」
私の話を聞くと、パーシングさんと司令官の二人は顔を見合わせて頷きあった。
「シャーマン報告ありがとう、それで今後のことだが…」
パーシングさんが、話し合始めようとした。
「お、おいパーシングちょっと待ってよ、私の報告聞かないの!?」
隣では一緒にいた、フェルディナントさんが持っていた紙パックを落としそうなっていた。
「はぁ、フェルディナントお前の報告は大体陸貴を何体倒したとかだろ、そんな報告は今はいらない」
パーシングさんはそう言い放つと、フェルディナンドさんは頬を膨らませて我慢したようだ。
「話に戻るが、近いうちに大規模な殲滅作戦を行うことを司令官と決定した」
殲滅作戦とは、敵を残らず倒し安全を確保する作戦だ。これをすれば、戦線を前進できると共に新たな補給路も確立される可能性もある。しかし、敵の全戦力と戦うことになるのでこちら側にも十分危険性がある。
「作戦を結構するにあたって、物資などの搬入が終わるまでは数日かかるので短いが休暇になる」
休みと聞いて嬉しく思ったが、何をして過ごすか考えなければいけないと思った…
「とりあえずは、二人ともゆっくりやすんでくれシャーマンは兵装を修理してもらうようにな」
パーシングさんに言われて自分の体を見ると、兵装の片側の装甲は陸貴の攻撃でもぎ取られていて服もところどころ破れたり、切れている。しかも、雨が降っていたので体中泥がついて黒く汚れていた。
「では、これで解散」
フェルディナントさんと執務室を後にした。
「そうだ!シャーマン、今からお風呂行こうよ!」
フェルディナントさんに手をつかまれ、そのままお風呂場でまで連れていかれてしまう。
「ちょ、フェルディナントさん…って私の服脱がし始めないで!自分でできるから!」
お風呂場の中に連れていかれるとフェルディナントさんは、私の服を脱がし始め一緒に入ろうとしていた。
「そう?そういえば、シャーマンって意外と胸あるよね~。先に入ってるから!」
最後にとんでもないことを言い残して、フェルディナントさんはお風呂場に入っていった。
「ちょ、フェルディナントさん何言ってんの!」
そう言って私も、フェルディナントさんの後に続いてお風呂場に入った。
戦車ちゃんは世界を救いたい 胡奈 @KONA2020
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。戦車ちゃんは世界を救いたいの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます