理想と現実の壁に挟まって苦悩する事は、誰しもある事でしょう。
この作品は、ショートショートで著名なSF作家、星新一の作風に忠実な体裁を取りながらも、それを見事に表現してくれたと思います。
作中に登場するグルジアワインですが、そう書いてあると言う事は、アメリカのジョージア州のワインでは無くて、現在、国名がジョージア共和国になっているグルジア共和国産のワインなのでしょう。
グルジアにはKvevri、或いはQvevriと呼ばれる、ドングリの様な形をした大きな壺があり、これを利用して作る古代の伝統的なワインは、ユネスコにおいて無形文化遺産として指定を受けている様です。
欲を言えば、このグルジアワインが、作品中のキーアイテムとしてもう少し活かした内容であればと感じました。
次回作に期待しております。
※拙著の短編は2作品しか上げておりませんが、以下、お読み頂ければと存じます。
いいえ、マジックじゃありません。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886888615
思春期症候群の先輩少女は後輩男子の名前を聞きそびれる
https://kakuyomu.jp/works/1177354054886888865