第13話

儀式の間は閑散とした場所だった。

静まり返っており女神の像が1つ置いてあるだけだった。

氷夜はその像の前に跪き、願いを口にする。

すると、像の目が輝きだし

「願いには対価を、贄を差し出せ」

何人もの声が重なったような声がした。

私は前に進み出て腕を切り血を流す。

氷夜が哀しそうな顔をしているのを見ないふりをした。

薄く微笑み、ありがとう、言った。

そして自分の体が足元から消えていくのを感じながら目を閉じた。

「俺、お前のこと絶対忘れねぇから!死んでも忘れねぇから!」

いい年の男の子が泣いてるよ、情けないなぁ、あぁ、でも、幸せだなぁ。

願いは叶い、世界から能力は消えた。

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