第4話
これはまずいことを聞いたのかもしれない、だがまぁ私の生い立ちも話しているし聞く権利はあるはずだと思い氷夜が口を開くのを待つ。
「……知ってるかもしれないと思うけど俺さ、結構いい家に生まれて結構いい能力持ってて、まぁいわゆる勝ち組ってやつなんだよね。」
「何不自由することなく過ごして、何もせずに上から全部見下ろして、見下して生きるなんて、俺は嫌だったんだ。」
「だから「だから逃げ出したの?」」
私は氷夜の言葉の最後に被せるように問いかけた。
なんとなく苛立ってしまった。
生まれた瞬間からいずれ不要になり殺されることが決まっていた私と最初から天上ともいうべき場所にいた彼との違いに無意識のうちに反感を抱いていたのだろうか。
しかし私の発した言葉は正しかったようで氷夜は頷いた。
「そうだ、俺は逃げたんだ。」
「俺は、____」
そう言いかけた時だった。
突如として降ってきた氷の弾丸が氷夜の足元にクレーターを作った。
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