第2話
走って、走って、辿り着いた都市の裏路地に私はいた。
今は多分夏という季節だろう。
夜だが気温は高く、白い簡素な布切れ一枚の出で立ちでも特に目立つ様子はない。
周りを歩く人たちの中に同じような服に見えるものを着てる人がたまにいる。
わんぴーす、というらしい。
だが出で立ちは目立たないにしても裸足なのはおそらく浮いてしまう。
それに私の姿は子供には見えないだろうが、成人しているようにも見えないだろう。
おそらく世の中で言うところの高校生くらい、に見えるだろう。
しかし高校生といっても夜に出歩いてはいけない、と言うのは知識として知っていた。
人目を避けるように裏路地を奥へ奥へと進んでいき、ソレに出会った。
私と、同じ姿、同じ背丈の、少年に。
それは、直感だった____。
「ねぇ。あなたは
気怠げに振り返ったその人は驚いたようだった。
「は?あんた何で俺の名前知って___!?」
「やっぱりそうなんだ…へー、私の顔の元になった顔はこう言う作りなのか…資料でしか見たことなかったから実物は初めて見たなぁ」
ふむふむ、ほうほう、などと1人で感心していると少年もとい氷夜くんは驚きが落ち着いてきたらしく、話しかけてきた。
「お前、何?てか、誰?色々と聞きたいことが山盛りなんだけど?あ?俺?」
その実、落ち着いてなかったようでした。
疑問が溢れているようで疑問符が沢山飛び交っている、ように見える。
ので、本物さんに教えてあげることにした。
私の生まれた理由を。
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