第二十九話:「The King of Knights Ⅳ」

 そうして、ランスロットは村に滞在する間に何かとアーサーやガウェイン、ギネヴィアに世話を焼かれつつ、その人柄から村人達にも受け入れられてすっかり村に馴染んでいました。

 彼はアーサーの窮地を救ったように戦いにも通じていましたから、騎士団とも親交を深める内に、いつしか共に手を取って戦う仲間となっていました​────。


『ウゥグルゥアァアアァアアア​......』


「任せろ!ブレスはオレサマが止める!!​────ッ【不壊之守護剣アロンダイト】ォオ!!」


『────オォオオオオン!!!』


「ッく......うらァアアア​ァアッ!!いけぇえ!アーサァアアア!!!」


「あぁ!!​【絶ち別つ王の剣エクスカリバー】ァアア!!」


『グロァアァアアアア!?!!』


「トドメはオレがッ!​【影ノ底蠢ク剣ガラティーン】......​、【閃ク瞬光ノ剣クルージーン】ッ!!」




「坊や、みんな、お疲れ様。今ので最後みたいよ。」


「っかぁー!オレサマもう疲れたー!!」


「そうだね、今日は一段と数が多かった気がするよ。」


「......オレもクタクタだぜー......。にーちゃんのかーちゃんが居なかったらと思うと今日はヤバかったなぁ......。」


「よっ!流石母さん!」


「あなた達ったら元気ねぇ......。

 ほら、他のドラゴンの皆さんもあんなに疲れてるのに。」


「それも、ランスロットとアローンさんの見事な連携のお陰です。

 流石は親子って感じで、アローンさんの機動力にランスロットとアロンダイトの護りが合わさって、実に頼りになる防御力でした。」


「ハッハァ!褒めてもなんも出ねぇぜアーサー?」


「うふふ、坊やったら褒められて照れちゃって。可愛いわぁ?」


「だーもう母さん!可愛い言うなって!!」


「......マジめな話さー?にーちゃんがかーちゃんに乗って飛び回んの、あれオレ達も出来ねーかな?」


「そう、それだ!僕も初めてランスロットに会った時から考えていたんだよっ!」


「ふぅん?......つまり?」


「つまり、今僕達はドラゴンとドラゴニュートで別々に戦ってるよね?」


「そう、そしてオレらもにーちゃんみたいにドラゴンの背中に乗っけてもらって、必要な時だけ飛び出せば......?」


「特に天龍さんたちの機動力や、地龍さんたちの頑丈さは僕達ドラゴニュートなんかとは比べ物にならないだろう?」


「今みたいにオレらが足元チョロチョロするより、断然お互い戦いやすいってワケ!!」


「なるほど!分からん!!」


「ふふふ、つまりねぇ坊や?みんなも私と坊やの真似っこをしよう......ってことよ?」


「おぉ!そうか!そりゃあいいや!オレサマは上手く飛べねぇからな、母さんに乗っけてもらってるけどよ......ぶっちゃけオレサマが飛べたって母さんにはまっったく敵わねぇしな!!」


「そー、それを言いたかったんだよ!!な、兄貴?」


「どこか釈然としない要約だけどね......伝わったならいいか。」


「よーし、それなら帰って特訓だな!母さんに乗り始めてすぐの頃はよく落っこちたもんよ......。」


「坊やはちっちゃかったからねぇ。すーぐ転げ落ちちゃって泣き叫ぶから心配したものだわぁ?」


「ってことでコツが要るんだ。オレサマが乗り方を教えてやんよ!!」


 こうして、今の護竜騎士のプロトタイプ原型ともいえる戦闘体系が生まれつつあったのでした​────。

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