第十五話:レヴィア先生
さて、バルクさんお手製の少し豪華な昼食をご馳走になり一休みしていると、
「そろそろ始めましょ、着いてきて。」
と勉強のお誘いがあって、連れてこられたのはなんと図書室。
家の中に図書室があるなんて、流石は貴族......いや、学園長だからかな。
「それじゃあ、あっちの方でやりましょ。」
よく見ると、本はカテゴリ別に整頓されているらしく、僕達は歴史関連の本の書架の辺りの机に向かい合って座った。
そこで、ふと
「歴史から始めるの?」
と聞いてみれば、
「ええ、でも先ずは入学試験にはどんな科目があって、何をやるのかを説明、相談しようと思ってるの。
それから勉強を始めるわ。この国の歴史がまず貴方には必須だと思って、今日は無難に歴史をやるつもりよ。」
「なるほど。道理だね。」
「それじゃあ先ず入学試験についてなんだけど......」
レヴィア先生の説明に拠れば、入学試験で問われるのは主に二つ。
一つは単純に戦闘適正。
これは、何かしらの武術を修めている場合はその“技量”────護竜騎士を目指す者は一般的には槍術を修めている────と、
当然と言えば当然のことだが、決して“強さ”などという曖昧なモノではなく、絶対的な基準が設けられているようで安心した。
もう一つのが
“騎士たる者、己を騎士たらしめんと律することが出来なければ話にならぬ。故にそれに見合った教養で判断せんとす......。”
という事らしい。要するに勉強と礼儀作法だ。
......因みにこのお堅い言い回しは学園長の受け売りらしく、レヴィア先生がモノマネで教えてくれた。
勉強に関しては、
その中で俺が絶対に学ぶべきは、
当然そんなものは知らないから。
この国では“騎士は
それ以外のものは多少の差はあれど里で修めさせられていた。
教養はもののついで、バカでは使い物にならんと教え込まれたし、王国語は、ぶっちゃけ皇国────須佐之國の言葉と同義だ。
武術人体理論、生存術、飛翔術は言わずもがな。
寧ろそういった理論、科学的な部分は八百年の建国戦争の中で“人”が竜や龍を斃すために須佐之國が磨き上げてきた
東西で多少の違いはあろうが、そこまで致命的ではないだろうし、須佐之國の方が進んでいる部分が大きいだろう。
「......ということで、先ずは勉強の方から始めるわ。
後で一応戦闘適性のチェックもするけど、正直私の得意分野とは言えないし、貴方はなんだか自信ありげだし、本当に最低限よ。
それじゃあ先ずは王国史から。
この国の騎士には“国を識る”ことを
この本を見ながら私の話を聞いて。物語調でわかり易いハズよ。」
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