#011 投稿スタイル
最近話題が愚痴っぽいものばかりだったと反省しつつ、今回のお題は「Web小説の投稿スタイル」について。
最初に投稿スタイルを大きく分けると3パターンになります。
①、気が向いた時だけ執筆する「趣味の1つ」パターン。
普段は他の作品を読んだり普通にゲームなどをして過ごす。そして気が向いた時だけ執筆に当てる。当然、投稿ペースは遅くなります。最初はモチベーションが高いので毎日だけど、すぐに週1になり、やがて月1に…。
何かの拍子に挑戦する気になり「勢いで投稿してみた」と言う非常にベタなWeb投稿のスタイル。大抵は日の目を見ないまま人知れず消えていくが…、中には人気が爆発する作品もある。「人気が出ればやりがいもあるだろうし続けられるのでは?」と思われがちだが実際には人気があっても失踪する人は失踪するし、続けられる人は続けられる。結局、環境や性格の問題が大きい。
これだけ聞くと不安要素しか感じないが、このタイプが優れている点もある。まず、テンションが高い時に書いているので文章に勢いがある。深夜のノリと言うべきか、真面目に考えると恥ずかしいような事でも勢いで書けてしまう。そういう恥ずかしさや常識は、個性が重視される作品作りにおいては足かせになる事もある。そう言った意味で、ノビノビとした作品が書けるのは強みだ。
それに加えて、投稿者によくある「書くのが忙しくて他の作品がチェックできない」と言った悩みがない。他の趣味に時間をさけるのでマニアックな知識も豊富だったりするので、その人にしか書けないような異色な作品が生まれる事もある。まぁ、それ以上にパクリが多いのだが…。
知名度のある作品で例えるなら、エ〇マンガ〇生のエルフタイプだろうか? 勢いがあって、単純明快なストーリーを好む若いユーザーに支持されやすい。
悪い言い方になってしまうが、このタイプに必要なのは中二な妄想を恥ずかしがらずに晒していける勢いと、自分の個性を信じて突き進む独善性。そして何より…、そのノリが注目される"運"なんだと思う。
②、毎日欠かさず執筆する「お仕事」スタイル。
創作活動自体が趣味であり日課でもある。私もこのパターンに該当しますが、ようは余暇の時間を殆ど執筆作業につぎ込んでいるパターン。
投稿ペースが速く、なにより安定している。作品傾向は理屈っぽいものや練り込まれた設定の作品が多い。一定間隔で投稿できるのはWeb小説では強いセールスポイントになるが、テンションの上がらない時に書いた煮え切らないエピソードも中には当然出てくる。
エ〇マンガ〇生のキャラに例えると、やはり主人公だろうか? ネタ出しに苦悩しながらも自身を律しながら書き続ける。当然、書いていてつらいときもあるけど、刹那的な楽しさを求めているわけではないので続けられる。イメージとしては"登山"が近い気がします。ちょっとした楽しみもあるけど、基本的に辛い。しかし、自分と向き合う事や大きな目標を成し遂げるために動いているので、目先の批判や誘惑に流されにくい。
しかし、無償で続けていくのにはやはり限界がある。家庭の事情で続けられなくなったり、心無い感想やアンチの嫌がらせを受けて、苦労して投稿を続ける意味を見出せなくなったり。
③、「書籍化済み作家」。
必ずしも作品がヒットする保証は無いが、それでも他のアマチュアに比べて大きなアドバンテージを持っており、なにより執筆活動で得られる報酬が存在しているパターン。
基本的に②に近い状況だが、実はそれほど活動は安定していない。出版の兼ね合いでWeb版の更新が止まったり、下手に人気とお金を手にしたことから来る怠惰。有償で公式投稿をしていても更新が止まったり、誤字が異常に多かったりと社会人として、お金をもらって働くことの意味と義務を理解していない人も多い。
結局、人それぞれでちゃんとしている人はちゃんとしているし、ダメな人はダメ。それだけの話なのだが、やはり注目を集めてしまう。その結果、ランキングで有利になったり、本来アマチュアが活躍する場所であるはずの投稿サイトの存在意義が揺らぐ問題などがある。
しかし、それでも最低限の面白さは保証されているので読む側としては参考になる。住み分けはキッチリしておくべきだが、書籍化したからと言って勝ち組みと言えるほど稼げるわけでもないのは事実であり、出版業界や投稿サイト、そして読者がそれらの作家を応援して、活躍の場を増やし、収入を増やして創作活動をサポートする事も重要だったりする。
アニメ業界などもそうだが、日本は創作活動にたずさわる人の量と質が多いわりに、収入が少なすぎる。何が問題なのかをココで議論するつもりは無いが、プロでもアマでも、もっと投稿に専念できる改革が必要になってくるわけで、実際にイラスト業界はその手の革新が最近加速していたりする。
その点、アルファポリスのように投稿者に報酬があり、換金できるシステムは評価できる。もちろん美徳としてカネカネ言うのを毛嫌いする気持ちも理解できるが…、創作活動を続ける大変さ、そしてなにより、その苦労が下手な内職を遥かに下回る過酷で報われない世界であることを理解してほしい。
我々投稿者は、数百、数千時間の労力の結晶を投稿サイトに無償で提供し続けている。もちろん価値のない駄作にも報酬を払えと言うわけではないが…、やはり価値のある作品には見合った対価を支払ってもいいと思う。称賛以外に報いがない、運よく書籍化出来ても普通に働いた方が安定して稼げるし、なにより社会保障が充実している。そんな状況を、意識レベルから変えていかないといけない。
私は常々、そう思っています。
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