#009 負のご都合

 今回はマイナス方向に作用するご都合の話。


 「ご都合」とは…、例えばモブキャラの攻撃が主人公たちに当たらないとか、都合のいいタイミングで都合のいい能力に覚醒したり、そもそもパワーバランスやリアリティーが欠落していたり。


 基本的には主人公たちに都合のいい方向に作用すると思われがちですが…、実際にはストーリー的に都合のいい展開を目指しているにすぎず、時には主人公たちに牙をむくこともある。例えば…


・対戦相手が見事に相性の悪い相手ばかり。

・普段は無駄に高耐久な主人公たちなのに、たまに不意打ち一発でアッサリ倒されたり気絶する。

・勝ったと思ったら敵が瞬間移動してヒロインを攫ったりする。

・最終回で意味もなく主人公が死んで終わりになる。

・中盤で倒した敵組織の幹部に逃げられる。あるいはアッサリ殺されて口封じされる。

・突然マヌケになってありえないミスをする。

・突然秘密主義に目覚めて肝心なことを秘密にしたり、自分一人で解決しようとする。

・あとはオークやゴブリンが人の女性をレイプするってのも入るのかな? ゴブリンの"アレ"は危険性を伝えていないギルドが1番悪い気がしますが。


 皆さんもこう言った展開に疑問や憤りを覚えた経験はあると思います。これらは結局、ストーリーを面白くするためにあるのですが…、個人的にはそうとは思えません。私のように作品を、ストーリー展開を考える立場からすると「ご都合は甘え」と思えてなりません。




 たしかにリアリティーだけが作品の面白さでないのは理解できますし、ノリも大切です。でも、だからと言ってパワーバランスや設定を蔑ろにしていい理由にはならない。それをおこなった時点で作品の完成度は間違いなく低下するわけで、展開を重視して気軽に法則を捻じ曲げるたびに、作品の質もどんどん低下していく。


 しかし、先にも言ったがノリも重要であり、実際に安易なご都合をよしとしている作品は分かりやすく、一部には充分に評価されている。極論を言えば作品作りは商売であり、大勢に批判される作品であってもBDや関連グッツを買ってくれるファンが一定数いれば成立してしまう。売れるなら何でもいいのかって問題はあるが、売れている以上そこには最低限の価値があり、理解できないからと言って存在を否定するのはナンセンスであり、傲慢な行為だ。




 とりあえず言いたいことは言ってしまったが、やはり作品を面白くするのは本当に難しいと痛感してしまう。


 なぜそこまでご都合を多用されるのか? そして、それが批判される中で、それにも増して評価する人がしっかり存在しているのか。そういう部分は真摯に受け止め、考えていかないといけないと思う。


 たしかに面白味のない作品は見るに値しない。アッサリ終わってしまっては盛り上がらないし、予想を裏切る展開も必要であり、人気の脇役は使い捨てにするよりも再利用して活躍の場を与えたほうがいい。なにより隙のないストーリーを誰もが簡単に考えつくわけでない。


 なんども言っているが、私は批判をよくするが…、それはあくまで好き嫌いの問題であって、存在価値を否定するものではない。むしろ私自身は非常に肯定的な人間だと思っている。




 今回は(も)取り留めのない内容になってしまったが、結局いつもと同じことを言っているだけだった気がする。


 つまり何が言いたかったかと言えば…、ハードな展開にもヌルイご都合のテイストが隠れており、"展開がハードだから良い"とか安易には考えていない。それだけです。

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