#003 考察「魔力放出酔い」

 今回のお題は「魔力放出酔い」


 定義は、魔法を使うなどして魔力を一定量放出すると目まいや精神的苦痛が発生するというもの。異世界"転生"モノによくある設定で、とりあえず「主人公が苦労して勝ち取った能力です」といった演出に使われる。


 ではこの苦痛、何処から発生しているのだろうか? とりあえず候補を上げてみる。

①、肺や心臓などの臓器。


②、血液。血液中に酸素を蓄えるような感覚で、ガス交換の原理で肺から吸収する。


③、神経。呼吸などは関係なく魔術回路などの独自の神経組織で吸収・増幅・貯蓄をおこなう。


④、精神・魂。物理的に魔力を蓄えるのではなく、もっとオカルトチックな方法で魔力を蓄える。




 まず真っ先に候補から外れるのは①でしょう。特定部位なら、その場所が痛くならないと不自然です。ただ問題になるのは脳だった場合。脳はいったん保留にしておきましょう。


 つぎは②ですが、これも違うでしょう。魔力を伝達する役割に使えそうですが、それだと出血時に魔力も放出してしまいます。戦闘も多いファンタジーでこの設定は不都合が多いです。得するものがあるとすれば、吸血鬼モノで、吸血のさいに魔力も吸収しているなんて設定が考えられる程度でしょうか?


 ③は、一部の科学的、近未来的な魔法を題材にしているなら使える理論です。しかし、その手の作品にとって魔力消費で苦痛を感じるのは過剰設定でありノイズでしかありません。もっと機械的で単純に燃料や弾薬としてあつかった方がストーリー展開に幅を持たせれるでしょう。


 ④に脳を加えて考えるのが中世ベースのファンタジー作品には1番マッチしていると考えられます。脳の複雑な精神回路を使って魔力をコントロールする。そこから大量のエネルギーを放出すると精神にもダメージを与える。


 その場合だと脳に何らかの障害を残すリスクが発生するので…、ボクシングのパンチドランカーのような障害を患った魔術師がいないとおかしいですが、そういうリスクは俺TUEEEでは当然のように無視されます。




 それじゃあ私の作品ではどう扱っているかって話ですが、結論としては放出酔いは条件付きで存在します。


 地球に魔力というエネルギーは存在せず、人は魔力のない環境でも生活できます。つまり魔力を放出しきった状態で生活しているわけで、それなのに魔力放出に苦痛を感じるのは不自然な話です。


 これが酸素などの気体物質というなら血糖値のように増減で違和感を感じるのも理解できますが「魔力は元素の一種」と定義づけしていないのでこの設定は無理があるでしょう。それにこの設定、突き詰めると他のところで色々と問題が増えてしまうので私は不採用にしています。


 じゃあ魔力放出酔いが適用される条件はなにか? それは魔物などの魔力生命体です。魔力の力で物理的な限界を超越した存在は、魔力を消費しすぎると様々な支障が出てしまいます。例えば巨大生物が魔力を消費しすぎると自重で自己崩壊を起こすとかですね。


 なので私の作品では、絶対的に強い悪魔でも継続的に魔力を放出させ続ければ倒せるように設定してあります。




 魔力に関しては他にも様々な設定がありますが、今回はこのあたりでしめたいと思います。

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