アイスキャンデー
自習室に戻ると、夏乃がアイスキャンデーを頬張りながら待っていた。
「夏乃、何してるの!?」
「自習室は飲食禁止だよって言っても聞かなくて。」
「いいじゃん。深青も食べる?」
「・・・遠慮しとくわ。」
「次は涼果の番じゃない?」
「うん。」
「早く行かなきゃ。」
「わかってるって。じゃあ、行ってくるね。」
「行ってらっしゃい!」
夏乃は大きく手を振って、涼果を見送った。そして、涼果がいなくなったことを確認して、私の元へと駆け寄って来た。
「深青、ほんとに食べなくていいの?」
「そんな誘惑する声で言っても食べない。」
「えーっ、食べてよ。こんなに買ってきたんだから。」
夏乃は箱入りアイスキャンデーを私に見せびらかして来た。正直、私は心底苛立った。
「もう、いい加減にしなよ。ここ、自習室だよ。」
「わかった。わかったよ。もう知らない!」
「ちょ、夏乃!!」
夏乃は荷物を持って、自習室を飛び出してしまった。
「もう・・・でも、いいや。ちゃんと勉強しよう。」
やっぱり、彼女がいないと集中できる。でも、ちょっと気になるな。本当に夏乃を怒らせてしまったのではないかしら。だけど、ここで私が移動したりしたら涼果は一人になってしまうな。私は涼果を待った。
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