第17話 今さら聞けない文章の基本
先日、小説仲間に教えて貰ったことがあり、内容としては恐らく基礎中の基礎だとは思うのですが、忘れないように記すWeb小説素人日記。
・例文①
『彼は夏の暑い中、ビアガーデンで乾杯する一杯目のキンキンに冷えたビールが好きだ』
この文章が読みにくいのはなんで? と聞いた所、
「主語と述語の距離が遠い、つまり間に修飾を入れすぎると、主語が分かりにくくなる。そして、誤用も増える_( _˙꒳˙)_ペショ」
との事。
主語=彼、述語=好きだ、ビール=目的語になるらしく、主語と述語が離れすぎている……つまり、主語と述語の間に修飾が入り過ぎると、文章は読みにくくなってしまう。
じゃあ具体的にどう直せば良いのってことで、3名の方が修正してくれました。
・修正案①
『夏の暑い中、ビアガーデンで乾杯する一杯目のキンキンに冷えたビールが、彼は好きだ』
・修正案②
『夏の暑い中、ビアガーデンで乾杯する一杯目。キンキンに冷えたそれが、彼は好きだ』
・修正案③
『夏の暑い中、ビアガーデンで乾杯する冷えたビール。その1杯目が、彼は好きだ』
いずれも例文より読みやすく、共通しているのは『彼は・好きだ』という主語・述語が最短距離に位置している事。なるほどぉと納得。
「自分が読んできた限り、一文が長いほど主語が途中で変わる、という誤用が生じやすい印象があります。主語と述語を近付ける事で、確実にその誤用は減らせると思います(´・Д・)」
またある方は、
「接続語(「しかし」「だが」「そして」)の誤用も防ぐことが出来ますね」
とも。
「要はアレですね、長ったらしく書いているうちに自分がどこに行こうとしていたのか見失ってしまうという」
なるほど、なるほど。やはり一文をコンパクトにまとめ、主語と述語の距離を短くすることは文章の誤用も防げる様です。
じゃあどの程度のコンパクトさであれば良いのか、目安みたいなのはあるのでしょうか?
「自分は小学校の時、『一文は原稿用紙で2行以内』と習いましたね。そして今も原則それを守っています」
「一文が、口にした時、一息で言えるくらいで丁度いいのではないかと考えています」
「それくらいなら、間に修飾を入れまくっても主語と述語がごちゃごちゃにならない(´・Д・)」
なるほどぉ……非常に具体的な目安。やはり頼るべきは仲間、質問してみるものです。
と、ここまで聞いて思ったのですが、逆に長ったらしい文章なのに主語がブレない、意図の伝わる文章というのは一つのテクニックになるのでしょうか。
主語と述語の距離は近ければ近い程、文章そのものもある程度短い方が良い。距離に比例してテクニックが必要、という理解。
という訳で、今度は逆に長文チャレンジみたいなのが始まりました。例文を元に皆さん修正していく感じです。
・長文案①
『彼は夏にビアガーデンで飲むビールを想像するのが仕事の合間の活力剤らしく、いつもキンキンに冷えたそれを一杯、ゴクリと飲み干すのが好きだそうだ』
・長文案②(一人称にも代えてみた)
『僕は、去年ビアガーデンで飲んだ冷たいビールを思い出して、思わず顔が緩んでしまうのを感じた。一刻も早く行きたい。あのキンキンに冷えたビールを飲みたい。終業時間の3分前。誰よりも早くこの建物を後にしようと心に決め、僕はパソコンを閉じた』
・長文案③(これも一人称)
『俺は運ばれてきたビールグラスを持ち上げ、一気に喉に流し込む。なぁ、真夏の夜に飲む一杯目のビールって、なんであんなに旨いんだろうな』
・長文案④(流石に長すぎ)
『夏の暑い日のビアガーデンで飲むビールは格別なものだけれど、それが一杯目、つまりグラス諸共にキンキンに冷えたとあってはこの世で一番美味しい飲み物に他ならず、まだ仕事中なのに思い出すだけでトリップする、或いは酔いそうになるのだけれど、職場で想像泥酔などした日には同僚にどう思われるか分からぬという鋼の意思、氷の理性で以て、無表情でPCを閉じた自分はエライと思うの』
◇
一文、一文の積み重ねが文章、そして小説……基本的なことを改めて勉強できて、かなり頭がスッキリしました。
実はもう一つ皆さんに聞きたい事があって、それは『一意一文』という言葉。これって具体的にどういう意味なのでしょう?
「一文に複数の意味があると、読者がどこに注目すれば良いのか、分からなくなってしまいますね」
「ひとつの文章ではひとつしか言わない、ということですね(ノ*°▽°)ノ 例えば……」
例文②
『今日は降水確率か低かったので傘を置いて家をでてきたが、会社から出ると雨が降っていて、急いで帰ったが家に着く頃にはずぶ濡れになってしまった』
↓
修正
↓
『朝の天気予報では降水確率が低かったので、僕は傘を置いて家をでてきた。しかし会社から出ると雨が降っていた。僕は急いで帰ったが、家に着く頃にはずぶ濡れになってしまった。』
一文の中に伝えたいことが複数ある場合、非常に読み辛くなってしまう。
なので、文章を分割して1×1の関係にすると読みやすくなる、と。
いやぁ、改めて勉強になりました。
そして頭の中がスッキリすると、基本を学んだらそれはそれで、今度はアレンジを加えたくなる、ひねくれ者の政宗あきら。出来得る限りに長ったらしい、けれども読み込める文章というテクニック、気になるじゃないですか。
なのでチャレンジしてみました。めちゃくちゃ楽しかった(自己満足感)です。なので張り付けるダイレクト・マーケティング。ご意見いただければ幸いです……!!
◆多分続かないショートスーリーズ『盾・ハンマー・格闘』
https://kakuyomu.jp/works/1177354054894868091/episodes/1177354054921782180
以上、今日のWeb小説素人日記、おわり。
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