第13話 制作日誌、でもないけれど
毎度ご無沙汰しております、政宗あきらでございます。
カクヨムコン5、というお祭り騒ぎに今年はノッてみたいなと思いつつ、『退かずのアリス』の更新も止めてしまいながら、次作をウンウンと唸りながら書いたり消したりを繰り返しております。
んで、やっぱり色々と鑑みるに、基本という物を重視してみたいなと。ノリと勢いだけで書くのではなく、物語や小説の基礎的な部分を学び、書けるべくして書く、たまたま面白く書けたでは無しにしっかりと地図を持って書きたいと考える、そんな数カ月だったと思います。
ところが、だ。
以前と比較してどうにも、こうにも、筆が進まない。
書ける感じで書いてはみるのだけれども、こう、地図を作ったハズなのに、迷いつつ彷徨いつつ進んでは止まる様な。
そんな折、向かう先を確かめたいと感じて友人に下書きを読んで貰ったのですが、その中で頂いた意見が中々シビれるものでした。
『楽しんで書いてないんじゃないの?』
みたいな。
これは超訳というか、思いっきり主観的な受け止め方なのですが、私の中にズシンと来た感じで。
じゃあどういう風に書けば私は楽しいのだろう? と連々と考えてみるに、それはまぁ沢山の要素があるのだけれど、今日になってとある楽曲を聞いていてふと思いついた事があったので備忘録的に記すWeb小説素人日記(前置き)。
◇
楽曲の名は、Viper King……直訳すると『毒蛇の王』。
コミカルな序盤から始まり、いきなりのトップスピードと思いきやローテンポな歌声が響き、突如としてメインメロディが駆け抜ける。
その後、序盤のリピートになるかと思いきや、更に唐突に駆け抜けるメインメロディ。
一体どうなっているんだ。
何故、この構成で成立するのか理解が出来ない。けれども成り立っている。
ABCACDDDCみたいな。ABCABCちゃうんかい! 的な。こう、上手く伝えられないのだけれど、ちょっと有り得ないパートの繋ぎ方。
振り返るに『退かずのアリス』では、物語とは別の所で、タブーに挑んでいるという楽しさがあった。
具体的に言えば、視点移動や自由(間接)話法と言った、一般的にはタブー視されている様な技法をライトノベルに落とし込む、誰もが止めろという所を突き詰めてみたい衝動的な。
技の巧拙はさておき、楽しかった。この広大なWebの海であっても解の無い物事を、自分自身の経験で確かめていける不確かな楽しさがあった。
んで、地図の描き方を学んでプロットを書いてみて、基本的な書き方に基づいてアレコレをやってみよう、それはある程度の知的好奇心を満たせるものではないか、と考えたのが数カ月前。
まぁ、それなりには楽しかった。知らない知識や技法を学ぶのは十分に楽しかった。
けれど、抗い難い物足りなさを感じての数カ月では無かったか。
まだ誰も答えを得ていない、得ようとも思わない馬鹿げた答えを探す旅に比べると、先人の知恵を模倣するような有様は、敢えて小説を書くというフィールドで試みるべきものだったのか。
今、書いている『もし高校野球のマネージャー(魔法少女)がビル・ジェイムズの「野球抄」に出会ったら』(仮題)は、そんな所もテーマの一つなのだと思う。
誰もが見向きもしない、つま先が弾いた石コロさえ気にしない事柄に執着し、ただただ衝動の赴くままに盲執して猪突して痛い目を見るだろう闇雲さは、きっと楽しいのでは無いだろうか、と。
破壊するべき常識はどれか。求めるべき真実は何なのか。執筆経験だとかノウハウだとか、そんな所に無い新たなフロンティアはどこにあるのか。
試しに中国古典の人物を題材にしつつ、プログレッシブ・メタルの巨星『Dream Theater』の楽曲構成を物語の起承転結に仕立て上げた様な、まだ誰も見ていない景色を目指してみるのも、良いのかも知れない。なんて意味不明な事柄も妄想しつつ。
収まろう、納まろうとせずに、ちょっとテンション上げて『いやこれはやり過ぎでしょ』という所を目指したい。目指さざるを得ない、のかもしれない。
そんな事をぼんやりと考えて、けれど大切な事の様な気がして、唐突に書きなぐる秋の夜。
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