第6話 世界観の提示について
今回たくさんの方々に熱いご意見・ご指摘をいただき、何とかかんとか物語の序盤(第一部・序幕〜第四話)を書き直しました。
それが上手く出来たのか、或いは失敗だったのかは分からない。修正しきれたのか、と言うのも分からない。
けれど修正していく過程で色々と勉強になった事、感じた事が沢山得られたので、備忘録的に整理しておこうと思い立つ。
決して「うまく行ったぜ」とか「とても良い出来だ!」と言う話では無く、そして「それくらい基本だぜ☆」と感じられる内容もあるかと思われます。一人の初心者の記録……と言う事でご容赦下さい。
◇
拙著『退かずのアリス』第一部を書いた時点で、私の中では「これで良いのか」「何かが抜けているのでは無いか」とモヤモヤとした疑問がずっと残っていました。
もちろん、未熟な所は幾らでもあるのだけれど、何か根本的な所で。けれど何が違って、どうすれば良いのか分からない。
暗中模索、或いは五里霧中。
何かヒントやキッカケを得られないかと、投稿されている方々の作品を色々と読み漁る。と同時に、沢山の方々にご意見・ご指摘をいただき、朧気ながらにモヤモヤとしていたものが輪郭を帯びて来た。
ざっくり整理すると二つ。
―――
■①世界観が序盤に提示されていない
異世界ファンタジーならば「この世界は魔法やモンスターが入り乱れるファンタジー世界ですよ」と言った説明、提示。
SFならば「舞台は未来でこんな科学技術が発達してる世界ですよ」などなど。
そして拙著の舞台は「現代の日本」そして、独自の理論体系に基づいた「魔術」を扱う「魔術師」が人知れず存在する世界。
基本、どんな物語もこの説明や提示がなされている。それが私の小説では欠落しているのでは無いか……と。
じゃあ書いちゃえ、と考えてはみたものの、調べてみるとその描き方は様々で、正解と言う物が見当たらない。例えば、
・タイミング……あらすじかプロローグか、数話進んだ所か、或いは中盤や終盤か。
・情報量……一気に全て開示するのか、絞った形で提示するのか。
・方法……説明文、会話文、チュートリアル形式、或いは情景描写で間接的に、等など。
と言った感じ。
うむむ、これは想像以上に難しそう。
では書き直す前に、修正前の拙著ではどうだったかをまず検証してみる。
正確には「世界観」に関する情報が全く無い、と言う訳では無く、けれど間接的な提示でしかも分かりにくいと言うカオスな状態。結局、本格的な説明は第二部に入ってから提示する、という結果になってしまった。
これは良くないものだったと反省。読む人に「多分、こんな世界観なのだろう……か?」と推測を強いる事になってしまったのだと思う。
と言う訳で、序盤に世界観を提示するべく試行錯誤。書き直した現在は、第一話でまず提示すると言う方法になった。と思う。多分……だと良いな。
そして情報量はあくまで限定的に。このサジ加減が本当に難しい! いやもうホントに皆さん凄いッス。長々と説明をすると冗長になるし、簡潔過ぎると読者に推測を強いる。このバランスは……これからも試行錯誤を続けよう……と心に固く誓う。
そんなこんなで意識した世界観の提示。
―――
■②序盤の引きが弱い
プロローグは、読者に「続きを読んでみよう」と思って貰える事を意識して、これまで何度も何度も書き直して来た。
そしてプロローグを読んでいただいた方に、第一話も読んで貰え……たと仮定して、データを見てみると今度は第二話のPV数がガッツリ下がる。なんでや。
これも色々な方のご意見をいただいてようやく、その理由らしき物が自覚できて来た。
まず前段として、この物語のアピールポイントは「女の子✕銃火器✕魔術」と言うもの。それを期待してページを進めてくれたのに、出てきたのは男子高校生の朝の風景。自分で振り返っても哀しくなってきた。
となると、目標は一つ。
「このアリスって子は可愛いな、これからどんな活躍をするのか見てみたいな」
と思って貰える第一話にすること。
それをまた試行錯誤して、先の「世界観の提示」も織り交ぜて、ツイッターで意味不明な奇声を呟きつつ加えたのが新しい第一話。目的が達成できたのかは……ここでは言及しない感じで!
更に言えば、最初の見せ場(と思いたい)であるアリスの活躍は、やっぱり早めに出してしまいたい。それもあって、旧第一話〜第四話を、新第二話〜第四話に圧縮したりして。やはり奇声を呟きながら。
―――
と、序盤の修正を振り返ってみて。
一番感じたのは、序盤に手を加える事への「怖さ」。
序盤を書き直すと言う事は、場合によっては物語全体の雰囲気や意味合いを変えてしまう可能性があるっぽい。良きにつけ、悪しきにつけ。
私にとっては、ヒィヒィ言いながら一度は書いた物語全体を壊して直す、と言うスクラップ&ビルドに近い恐さ。場合によっては、今まで読んでくださった方々を裏切る様な事では無いのか、と言う自分でもよく分からない迷いの様な気持ちもあって。
なので、大げさかも知れないけれど、私にとっては冒険とも言える様な試みでした。いや、小説を書くと言う行為自体が冒険なのですが。
しかしそこは初心者魂! 失敗してもそれが全て経験値になると言うボーナスステージはまさに特権。そう奮い立たせて退かずの政宗。
そんな冒険の道筋、そして燃料をくださった皆様に、改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。
そして、上手く出来たのか、或いは失敗だったのかは今もって分からない。これからも続く試行錯誤の日々……。
こんな未熟者ですが、これからもご意見・ご感想・呵責無いダメ出し等いただければ幸いです。
……真面目に書いてしまった気がする。反省。
◆追記◆
あれからも色々と考えてみたり、ご意見もいただいたりしまして、やはり「引き」と言うのが弱いなぁ……と痛感した次第でした。うむむ。
更に言うと、上辺の問題と言うよりはプロットの段階から弱いのだと思いました。ので、とりあえずは序盤は一旦置いといて、次に進もう。その中でまた見えて来るだろう、そしてきっと強い序盤にしよう、などど企む日々でございます。
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