第3話 続・書いてみて(略)自由直接話法について
前話で色々と振り返りをやってみたのですが、どうにも難しいなぁと悩み続けているのが……
一人称と三人称の混合。
例えばG○ogle先生に「一人称 三人称」と質問してみると、かなりの記事が「混ぜるな危険」と書いてあり、何だったら「素人が陥りやすい失敗=人称の混合」とか、「視点は固定するべき」とか、言ってみれば否定的な意見が多い模様。
もし混合するとしても、読者が「今は主人公視点だな」「これは三人称視点だな」と分かるように、章ごとにハッキリ分けた方が良い、と言う意見も。
はて、本当にそうなのか?
と言うのも私の好きな作家さんは三人称視点をベースに、人物の主観や独白……つまり一人称の叙述を入れている作品も多く、それは一体どういう事なのだろう? と私の頭の中では混乱がパラダイス。
それでもめげずに色々と調べていくと、こんなキーワードが。
「自由間接話法」と「自由直接話法」
更に掘り下げていくと、なるほどワタシがやりたかったのはこれか! あの作家さん達が使いこなしていたのはこれなのか!! と、頭の中ではパズルのピースが埋まった様な感覚を覚えた。
ここからは、実際にその練習、と言うことで例文を書いてみます。
※あくまで練習なので皆さんの参考になるには程遠いし、実際に出来ているかも不安です
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・一人称の場合
筋骨隆々のオッサンが、ドスのきいた声で僕に向かって言った。
「おい、ボウズ。そこでパンツを脱ぐんだ」
ビックリして返事も出来ない。いきなり何を言出すんやこのオッサン。
・三人称の場合
筋骨隆々とした偉丈夫が、ドスのきいた声でタロウに向かって言った。
「おい、ボウズ。そこでパンツを脱ぐんだ」
タロウは唐突なその言葉に、返事も出来ないでいる。
・自由直接話法の場合
筋骨隆々とした偉丈夫が、ドスのきいた声でタロウに向かって言った。
「おい、ボウズ。そこでパンツを脱ぐんだ」
いきなり何を言い出すんやこのオッサン。驚きから返事も出来ない。
・自由間接話法の場合
筋骨隆々とした偉丈夫が、ドスのきいた声でタロウに向かって言った。
「おい、ボウズ。そこでパンツを脱ぐんだ」
いきなり何を言う出すんやこのオッサンはと言う驚きからか、タロウは返事も出来ないでいる。
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こんな感じなんでしょうか。合っているのでしょうか。うむむ、難しい。
そして練習して分かってきたのは、私が特に拘りたいのは「自由直接話法」では無いかという事。
メリットとしては、より直接的な感情描写が可能である事や、テンポの良さでしょうか。その視点でもう一度、私の書いた文章を読み直してみると、なるほどここはこう記述すれば良かったのか、等々とより明確にポイントが見える様になって来た……気がする。
この話法とラノベに関する解説は、一般記事やカクヨム内でも沢山の方が書かれております。もし興味がおありでしたら、私の文章なんぞより詳しいですし、ぜひ、一度探してみてください。
ただ、そういった解説には注意書きがあり、自由〜話法はやはり難しい様です。素人は混ぜるな危険、と言うのもあながち間違いでは無い、という事か。
しかも自由直接話法については、ライトノベルの観点で解説してる例は殆ど無く……あれ? ひょっとしたら私は物凄く身の程知らずな挑戦をしようとしているのでは……?
と考えてはみるものの、小説の叙述で三人称と一人称が滑らかにすり変わる描写がやっぱり好きなので、それが出来ればとても個性のある描き方が出来るのでは、とも考えてみたり。
さておき。
練習の一貫として、失敗例も書いてみる。色々とゴチャゴチャに混ざってしまい明らかに混乱を来す書き方、例えばこんな感じでしょうか。
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・失敗例
タロウが店に入ると、筋骨隆々としたオッサンが奥から視線を向けて来た。
何だか目が輝いた様にも見えるが、気のせいだろうか。
「おい、ボウズ」
さぁ、俺の言う言葉をよくきけよと睨みをきかせる。
「そこでパンツを脱ぐんだ」
どや、驚いたやろ。何も実際に脱がすつもりは無いが、単に冗談のつもりで言葉を投げる。
「……!?」
突然何を言うてるんやこのオッサンは。驚きから返事もできないタロウ。
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なるほど、なるほど。自分で失敗して自分で勉強。
この失敗例では、タロウ視点の一人称と、オッサン視点の一人称、更に三人称の描写も入り、もう訳が分からなくなっている。
現実的には、三人称+タロウの一人称に止め、オッサンの一人称は省くのが良いのでしょうか。
この自由直接話法を小説に組み込んで、且つ読み手に混乱を与えない……と言うより、自然に読みやすく描くには、まだまだ精進あるのみ、と言うことで。
以上、文章の書き方に関する考察でした。
注:例文がやたらと関西弁風になっているのは、某作家さんの影響、そして遊び心とご理解ください。私が筋骨隆々な大阪のオッサンと言う訳ではありません。決して。
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