第三話「希望の光」

占い師のメス狼メルの所に向かった。

キラキラとした星が釣り下がって、暖かい灯りのランランが掛けている赤いのレンガの家。

「メル。ちょっといいか?」

「あら?銀様!」

雪のように白く光ってるメス狼は、メルだ。

メルは少し珍しそうに銀を見た。

「幼い女の子ね…」

「それは…銀様の婚約者の影ですよ。あの子は今幸せそうな感じするけど、一年後に自分の両親を亡くすことはまだ知らないままです。ですが、近いうちに彼女の両親から連絡が来ますよ」

「そうか…。分かった」

(天満…。君の未来はなんて残酷なんだ)

思わず泣いてしまった。嗚咽までしなかったが、胸がギュッと締める感じだ。


次の週に銀は天満の両親と出会った。

「天満の父の春翔です」

黒の短髪で、優しい眼差しで眼鏡をかけていて、低めの鼻と厚い唇の顔立ちで、スーツ姿だ。

「天満の母の紗南です」

黒のショートヘアをしていて、優しい垂れ目で、低めの鼻と薄ピンクの唇の顔立ちで、少し色白い肌の顔で、フリフリのリボンが結ばれてる紫色のワンピースの姿だ。

「銀です。よろしくお願いします」

「天満のこと、お願いしたくて、銀さんに頼みたいことがあります」

「一年後のとある夜に、私たち夫婦は殺されることが分かりました。それが私の夢に出てきたんです。

それで、天満の夫になってくれる銀さんに天満のことを守って欲しいです」

「その…あの…紗南さん。春翔さん。僕に娘さんのこと任せられますか?」

「私たち夫婦は、天満のことを見捨てることになります」

「見捨てることにはならないです。ご安心ください。娘さんは、この僕が守りますから」

「ありがとうございます。銀さん」

悲しさよりも優しさが漂った雰囲気だ。


「春翔さん、紗南さん。わざわざありがとうございました」

「娘のこと、末永くよろしくお願いします」


これは黒狼の銀が天満に出会う前のお話。

銀にとっても、天満にとっても、誰にとっても、一年後の未来は暗闇に包まれているが、どこかで光が導くと信じている。


「天満」

突然声が聞こえた。


「天満。俺の可愛い花嫁。君を俺の花嫁として迎えに来たよ」

その一言が少女…天満を救ったのだ。


〜終わり〜

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銀色の物語 ドーナツパンダ @donatupanda

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