第二話「婚約者の未来」

いつものように森林を歩いていると、白い小鳥が怪我をしていることに気がついた。

(薬…あげないとな)

「大丈夫だ。痛くないぞ」

小動物専用の薬で白い小鳥に手当てをした。

「よし!これで大丈夫だな…」

「さてと…」

一瞬にして、白い霧に包まれた。

(まさか…サキュバス?)

銀は自分の周りを慎重に見渡した。

『あら…黒狼の銀様?』

黒いロングヘア―に薄い紫色のアイシャドウにキリっとした眉毛と瞳に薄ピンク色の唇がある顔をしていて、セクシーな衣装を着ている。

『S級ハンターとして、私の誘惑に勝てるかどうか試して…み・る?』

サキュバスはスーと銀の後ろから優しく彼の口に触れた。

「…ふざけるな」

『あら…そう?』

(あまいな…!)

『きゃっ!!』

サキュバスの後ろから瓶の牛乳をかけたら霧が去っていった。


「危ないところだったぜ…」

水を一口飲んだ後、家に戻った。


(また…この夢だ)

『お父さん、お母さん…!』

泣いてるのか、雨で濡れているのか分からなかった。

だけど、心の闇に包まれるようなゾクゾクとした感じがする。


幼い女の子が…自分の婚約者なのか。


黒い影と共に歩く少女になり、心に空しさが残っていた。

ハッと目を覚ます。

(これは…いったい?)

ブルブルと頭を振る。おかげで少し落ち着いたが、心の中で何かを発見した。


「幼い…女の子?」

銀は母に相談をしてみる。

「うん」

「あんたの婚約者の…あの子の未来よ」

「!!」

「銀。覚悟はできた?あの子…一年後に両親を亡くすのよ」

思いもよらない残酷な未来を告げられ、銀はただ、ただ茫然としていた。

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