冷蔵庫の中
わたしは冷蔵庫を開ける
多分、空っぽだろうなと思いながら
無表情で
開ける
開けてやるさ
やってみなければわからないと言う人もいる
何もわかっていない
未来は予め決まっている
その証拠にこれからわたしが開ける冷蔵庫の中には何も入っていない
わかる
空っぽなのだ
そう思うのには幾つか理由がある
まずわたしは数秒前にその扉を開けた
その時は何も入っていなかった
だからおそらく今回も空っぽだろう
そしてわたしは冷蔵庫を開けた
空っぽだった
それはわかりきっていたことだった
だが
勇気を出して目を開けて中を直視するまで
わたしはわたしが微かな希望を抱いていたことを知った
ああわたしは本当は
この冷蔵庫の中が何か素晴らしいもので満たされていればと
心の底から願っていたんだ
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