無駄死に


放課後の校庭に

神様が舞い降りて来た

多分それは神様だと思う

或いは頭のおかしな狂人

そのどっちか

どっちも似たようなものだ

わたしはその神様に転がったボールを拾ってもらった

ちょうどそこにいたから

おおい

そう言って

投げ返してもらったのだ

神様から投げ返されたボールがわたしの頬を掠めた

そしてわたしの後ろにいた友人の頭を吹き飛ばした

振り返るともう友人の首から上に乗っかっているべきものが無い

神様は笑っていた

自分のせいで人が死ぬなんて慣れっこだから

凍り付くわたし

誰かが先生を呼んだ

「なんだってえっ」

先生は急いで校庭へと駆けつけて来た

とっても面倒なことが起こったなと舌打ちしながら

神様はまだ校庭にいた

死んだ田中くんの周りをうろうろと歩き回っていた

儀式だろうか?

荒い呼吸の先生が辿り着くと神様は口を開いた

「望みを一つだけ叶えてあげよう」

もちろん田中くんの蘇生

誰もがそう思った

だが神様は先生の方を見て「わかった」と言うと

直後、金髪の爆乳美女をぽんっと出現させたのだ

「まいったなあ」

先生はそう言って頭を掻いた

全然、まいっているようには見えなかった

「取り敢えず」

先生は続けた

「この金髪の爆乳美女はうちで保護することにして………」

そのような独り言を言って中古のカローラへと乗せて早退した

その動きは俊敏にして華麗


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