破壊衝動どうしよう


通りを歩いていた

向こうから老婆がやって来た

日傘を差していた

ビニール傘だった

顔が若干、焦げていた

嫌な匂いを周囲に放っていた

誰か教えてやれよ

それ意味、無いですよって

だが誰も何も言わずすれ違うだけ

それが優しさだと思い込んでいるようだった

もし誰かの鼻がもげても口を開くことはなさそうだ

だからおれが忠告してやることにした

「あんた焦げてるぜ?」

老婆はまるで不審人物でも見つめるようこちらを向いた

おれは段々、苛ついてきた

「おい、ばばあ」

不快な匂いを発しながらそれに気付かない

そして周りの連中はまるで示し合わせたかのように見て見ぬふり

おれには未来のことなんてわからない

もしかしたら手足の関節が無残に折れ曲がった死体が転がっていたりするのかもしれないな


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