ハイ・スクール・ライフ


学校では

何も起こらなかった

いつもただそこにいるだけのぼくだ

シャズナ再結成

それだけが生きる希望だった

霜降り肉が食べたいと廊下で独り呟いた

そんなこと思ってもいないのに

それなのにそんなことを口走ってしまうということは

もう終わりなのか?

「わぎゅうううううう」

口の中に入れた途端にそいつは溶けるだろう

和牛

それがこの星をうろついている

その日の弁当はコンビーフだった

それが缶のまま鞄の中に突っ込まれていた

せめて器に入れ直してほしかったね

クラスメートの冷たい視線を浴びながら

何か言わなくてはならないようだった

「台形」

ぼくは言った

そしてそれは間違ってはいなかった


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