ギャップに追い突けない?いやツッコミが追い突かない。
男性に着いていって数十分。その間に私がここに来てしまった経緯を話した。信じてくれるとは思ってないけど、理解しようとしてくれて少し心がホッとした。
気づけば何だか大きな屋敷に着いていた。やはり屋敷自体は日本の昔からあるような建物なのに、中から出てきた人は漫画から飛び出したようなメイドさんだった。なんか、ギャップが……。
「お帰りなさいませ。そちらのお方は?」
声は平然としてるが不信がちな視線がイタい。
「ただいま。少し訳ありのようで、森にいたから拾ってきた」
えっ!?私って拾われたの!!!??なんかショック……。ダンボールに入ってにゃーにゃー鳴いてる猫と同レベルですか。
私の頭の中がグルグル回っている内に話がどんどん進んでいく。気づけば、ちゃっかり食事をいただいていた。
そして又しても驚きが。和膳なのに中身は洋食。もう、何も突っ込めない。脳内パニックを差し置いて、私が静かなのが心配だったのか彼は話しかけてくれた。
「大丈夫?もしかして口に合わなかった?」
「あ、いえ!とても美味しいです!少し考え事を……」
そういえば、まだ名前聞いてないや。
「ん?どうしたの?聞きたいことがあれば聞いて」
ニコッ、とまたしても爽やかな笑顔を!!顔が整っているか余計に心臓に悪い。
「……っ!えっと、な、名前!聞いてないなって!あ、私は織本紫音といいマス……」
何故かクスクス笑われた……!?どこか可笑しかったかな!?
「…ク、ク、いやごめん。ちょっとおもしろくて……!僕の名前だよね。僕は白本家長男の白本真」
あ、名前は日本風なんですね。少し安心しました。
「ん?長男ということは跡取りですか?え、もしかして私とんでもないところにお邪魔してます!?」
もしここで肯定されれば私は即出ます!
しかし彼、白本さんは私が想像していた反応を裏切って、フッと笑った。
「大丈夫、邪魔してないよ」
やはり彼の微笑みに私は少しどぎまぎしていた。
「ところで僕からもいくつか質問いいかな?」
「は、はい!なな何でも好きなだけ!!」
ビックリして、色々とやらかしてしまった!恥ずかしい……。穴があったら入りたい……。
悶々と考えてると、真上が暗くなった。何かと思って見上げると、
「うわっ!!?」
白本さんの顔が近くにあった。どぎまぎ以上の感情が揺さぶられる。もはや頭の中が真っ白だ。
「あ、あの…!?どうし……」
「ん?あぁ、ごめん。驚かせちゃった?顔が赤いから熱があるのかとおもってね。大丈夫?」
プシュ~………。
何かの糸が切れたかのように私は意識を失った。遠くで私の名前を誰かが呼んだのが聞こえたけど、誰の声か判別できなかった。
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