◆ミドル8◆偵察
GM:特に中は普通ですが、敏捷判定と感知判定を色々使ってステルスアクションを繰り広げようという気はしています。
アルマ:ほう、それヒルデ大丈夫か。
GM:もちろんブリ子は何もしません。頑張れ!
アルマ:ブリ子ってブリュンヒルデだからか……にしても酷いニックネームね。てか何もしないってどゆこと?
GM:いやー不得手なことはやらないというのが彼女の主義なので……。それに一応GMとの兼任っていう立場もあるし。
アルマ:全部俺かよ(笑)
GM:いや単に選択の上での問題なので、アルマがその気になれば正面突破で警備員をなぎ倒しつつ金品強盗もできるよ、ということで。スマートに行くならスマートに。
アルマ:いや、それはほら冒険者としてのプライドがありますゆえ。できるだけ平和的にね平和的に。
GM:そこら辺を自由にやっていただく方向で構想を練っております。さて館内部です。
アルマ:うっひょー大理石!
GM:エントランスホールの天井は吹き抜けになっていて、異常なほど広々しています。執事があなたたちに近づいてきます。
アルマ:受付的な確認かな?
GM:「失礼ですが、こちらにお名前をいただけますかな」
アルマ:では自分の名前を書いて、ペンをヒルデにパスする。ラグナは予定通り俺のお尻に張り付いている。
ブリュンヒルデ:ドルーティ・ミシェリエッタと書いて、ポカソの名刺を見せます。
アルマ:「(そっちの名前使うのね)」
ブリュンヒルデ:「フフ、今日は楽しませていただきますわ」
GM:「それはそれは……どうぞ心ゆくまでご歓談くださいませ」
アルマ:ん、これ俺も偽名の方が良かったのでは?
GM:いえ大丈夫です。問題になったら全部敵をなぎ倒すつもりなので。
アルマ:今後危ない人に追われるかもしれないしぃ?
GM:でも名前書いちゃったからね(笑)
アルマ:確かにねぇ。ではうっかり本名書いちゃったってことで(笑)
GM:そうしましょう。
アルマ:言い訳しても怪しまれるしね。目を付けられない方がいいでしょう。
ブリュンヒルデ:「アルマ様……大変肝が据わってらっしゃるのね」
アルマ:「あーっ! いつもの癖で本名書いちまったー! 本名明かす義賊とかいんのかよ……」
ブリュンヒルデ:「ふふ、いっそ本名を偽名にすればよろしくてよ」
アルマ:まあ格好が普段とまったく違うので大丈夫ということにしましょう。
ブリュンヒルデ:「さて、アルマ様……どちらから手を付けましょうか」
アルマ:「んーどちらと言われても……やっぱ人がいないところからこっそりってのが盗賊なんじゃん?」
GM:パーティの本会場は一階ね。二階以降はポカソの私室のようなもので、一階全体がパーティー会場です。
アルマ:二階へは普通に行けるの?
GM:エントランスから直接二階に行けるのですが、二階への階段には警備兵がいて迂闊に近づけそうにありません。
アルマ:ということはまあ、お宝は二階ってことになりますよねえ?
GM:まあ一階で色々漁ってもいいですよ。ただ人が多いのでなかなか大変かも。
アルマ:こっそりアイテムをくすねる、とかはムズイってわけだ。
GM:いや判定の結果次第かなー。
アルマ:ハッ、闇の力を使って視界を誤魔化せばあるいは……。実は二人とも使えるしね、《クリエイトダークネス》。
GM:それでもいいですよー。でもお城に黒い空間あるのは妙よね。
アルマ:まあねえ。
GM:基本的にスキルを使った時点で周りが反応すると思ってください。もちろん聖水を生み出したりすれば喜ばれそうですが。
アルマ:一応一階を見て回ることできます?
GM:もちろん。ではエントランスから適当に散策しましょうか。
ブリュンヒルデ:「アルマ様、なにかお考えがおありで?」
アルマ:「うーん、とりあえず全体を隅々まで見てみない? 警備とか手薄なところがあるかもしれない」
GM:ここからだと書斎っぽいところ、客間っぽいところ、料理があるところに行けそうです。
アルマ:お金持ちだから警備も多いんだろうな。参加者も多いのが問題の一つだけども。
GM:そうですね。
* * *
アルマ:まずは客間っぽいところに行ってみましょう。豪華な調度品がある予感がします。
GM:ほいでは客間。便宜上客間1とします。絵画やら鹿の剥製やらが飾ってあります。参加者達がワイン片手に談笑しています。といっても参加者の目元は仮面で見えないので、喜んでいるのかよく分かりませんが。
アルマ:「人目が多いね」
ブリュンヒルデ:「さすがに大規模な催しだけありますわね。これはなかなか骨が折れそうですわ」
アルマ:「鹿の剥製って高く売れんのかなぁ」
ブリュンヒルデ:「さあ……今度作って貰おうかしら……」
アルマ:「ヒルデ的に高そうなアイテムは見つからない?」
ブリュンヒルデ:「そうですわねえ。もちろんどれも高価なものなんでしょうが……いかんせんすべて大きすぎますわね。絵画を背負って歩くのもおかしいでしょう?」
アルマ:「一理あるね。一応コレに入れないといけないしね」と貰った四次元ポケットを出します。多分口が小さいのであまり大きいものは入らないんでは?
GM:そうですね、あんまり大きなものは入れることを想定してないと思います。そもそも取り外すのがね……。まあタンスとか背負っていただいてもいいですが。
アルマ:怪しいってもんじゃないね。
GM:速攻で帰ることになりますね。
アルマ:大体この部屋は分かりました。次は料理のところに行ってみましょう。
* * *
GM:料理のある部屋は長いテーブルがいくつか部屋を区切っていて、料理がどこどこ運ばれてきます。調理室は別のところにあるようですねー。
アルマ:ふうん。この部屋も料理を取る人がたくさんいるよね?
GM:もちろん! ワインとかはここからみんな持ってってるみたいですねー。
ブリュンヒルデ:「うーん! さすがクソ金持ちだけあるわね。無駄金の有効活用だわ」と言って物色しています。
アルマ:「そうだ、腹が減っては戦はできないっていうし、腹ごしらえしよう! ってヒルデもういないし!」って感じか。
ブリュンヒルデ:そうそう、料理に集中してる。
アルマ:俺も負けずにご飯食べます。たまにお皿いっぱいの料理を背中に回してお尻の方へ持っていくと、瞬時に料理が皿から無くなる手品もします。気付かれないように。
GM:ありえないほど不自然ですがいいでしょう。なんだかんだラグナも大変やな。
アルマ:そうだねーもっと外でのびのびできるかと思いきや。
GM:さて、この部屋には特に金目のものはないですね、さすがに。
アルマ:でしょうねえ。
GM:さらにここから客間2と客間3に行けそうです。
アルマ:お、ではそちらも見てみましょうか。
* * *
GM:では客間2。ここはポカソの自慢部屋みたいですね。客間とはなんだったのか……。
アルマ:自慢のコレクションが飾ってあるのかな。
GM:ガラスケース入りの宝石やら、よくわからない骨董品やらがいちいち台に乗せてあります。
アルマ:ガラスを割るわけにはいかないけどな。「ちょっと狙い目なんじゃね?」
ブリュンヒルデ:「おっ、あいつも粋なことするじゃない。こんな不用心さがあるだなんて……」と独り言を言います。
アルマ:粋の概念間違ってるな、すがすがしいほどに。
GM:ヒルデがにやにやしながら宝石を見ていると、どこからともなく警備員がやってきて肩を叩きます。
アルマ:「(見つかったかッ!)」
ブリュンヒルデ:「あらやだ! 私としたことが……すっかり見とれてしまいましたわ。ウフフ」と謎の笑顔で切り返す。
GM:「ええ、もちろんポカソ様のお選びになった品々ですから。ですが、あまりコレクションにはお手を触れませんよう」と言って去っていきます。
ブリュンヒルデ:「チッ、変なところに金かけんじゃないわよ」とぶつぶつ言います。
GM:警備員はけっこうな頻度で巡回しているようですね。
アルマ:徐々に本性出てる気が……。「ここは警備が厳しいね」
GM:さすがに警備の目無しでは危ない部屋ですからね。
* * *
アルマ:大体分かったら次は客間3を覗きたい。
GM:ほい。客間3はポカソ様の歴史をたどるコーナーのようです。客にポカソ様のありがたみを思い知らせる部屋らしい。さすがに人もあまりいません。
アルマ:でしょうね。
GM:あとはポカソ様の偉大なる肖像画だとか、壁一面に張られた略史とか。真ん中に純金の彫像がありますが、これをどうやって売るかはわかりません。
アルマ:すぐに足付きそう。火属性魔術使いとかだったら融かせたかもねえ。
GM:まあ仕立て屋にお願いすれば金にはして貰えそうです。ただ土台が大理石なのでかつてない重量かも知れません。
アルマ:しかも彫像がそもそもでかそうだね。
GM:もちろん1/1スケールですわ! ポカソは身長153センチなので。
アルマ:ちびだった。
GM:さて、この部屋は警備員ひとりで人もまばらなので盗みに手頃ですが、何を盗むかというのがまた問題。
アルマ:でも純金像以外に目ぼしいものはないしね。
GM:そうですねー。
* * *
アルマ:最初の選択肢の書斎にも行ってみましょう。
GM:ほい。書斎は本当に書斎ですね。高価そうな椅子とかテーブルとか暖炉とかがありまして、本が所狭しと並んでいます。人はそこまでいませんね、休憩してそうな人が少しいるくらい。
アルマ:「高い本……てのはないだろうなぁ」
ブリュンヒルデ:「そうですわね。たかが紙切れですもの……」
アルマ:これで一階の部屋は大体分かったね。
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