◆ミドル6◆少年との出会い

GM:というわけで昼前です! 10時ぐらい。

アルマ:なんかやることあったっけ?

GM:えー、実はシナリオの都合上非常に暇です。

アルマ:そうだよね、パーティ夜だし。

GM:というわけで、やりたいことがなければパッと飛ばします。ポカソの話とか聞いて回りたければ適当に散策してもいいわよ。

アルマ:どんな人物かは知っておいてもいいかな。中央とスラム近辺と二か所でポカソの話を聞きたいな。両者の意見といいますか、貴族側と虐げられている側の両方の意見が聞きたい。

GM:OK。ではポカソについて調べるため、外出しました。

アルマ:少しのんびりした後、パーティの準備を整えたんだけど、まだ夕方くらいで時間を持て余している。そんな中、ポカソについて街での評判を調べておこうと思い、準備万端な状態でホテルを出ました。気が急いて早めに支度を終えてしまったということで。

GM:燕尾服に身を包んでいるわけね。

アルマ:燕尾服だから髪型もきっとややオールバック気味とか。

GM:では幸運で判定して、成功だったらポカソの調査ができるということで。中央区では難易度12、スラムは難易度18でどうぞ。

アルマ:まずは中央区。5D+2で判定……(ダイスを振る)1、1、1、3、6でダイス目12、固定値を足して14、危ない……。

GM:ひっど!!

アルマ:リンクアイテムがあってよかったね!

GM:そうだねー、最悪《クリエイトダークネス》してくれてもよかったのよ。

アルマ:難易度12なら大丈夫かなって思って……。スラムでは闇に乗じるよ。

GM:闇の中に居たら運が良くなる理論が謎すぎる。というわけで中央区から演出していきましょう。あなたは人の良さそうなマダームを捕まえました。肥えています。「あら、素敵な殿方ね……ウフ。私に、何かご用かしら」

アルマ:「あのお、すみません。俺、通りすがりの冒険者なんですけどちょっと聞きたいことがあって」

GM:「あらあら、そんな身なりで旅をなさっているだなんて、酔狂な方ね」

アルマ:「ははっ、これにはちょっと理由があって……それはそうと、ポカソさんって方、ご存知です?」

GM:「ポカソ様? そりゃあもちろん知っているわ。この街でポカソ様を知らない人だなんていらっしゃらないわよ」

アルマ:「この街で一番権力のある方ですもんね」

GM:「ええ、そうなの。ポカソ様は商才に長けておいでで、この土地もあっという間に『ポカソ色』になってしまったのよ」

アルマ:「商売をされているんですか」

GM:「ええそうよ! ポカソ・カンパニーはあらゆる業務をなさっているわ。冒険者向けの装備開発にも着手していたはずよ」

アルマ:「そうなんだ、知らなかったな」

GM:「ここだけの話……」と声を潜めます。

アルマ:お、重要そう。

GM:「ポカソ様はもともとの血筋は貴族ではないと言われているの。称号はもちろん持っていらっしゃるけれど、それはポカソ様の才能に対して付けられたもの」

アルマ:「生まれは貴族じゃないのか」

GM:「歴史の長い貴族からすると大きすぎるたんこぶでしょうね。もっとも、ポカソ様にたてついた貴族は、例外なく良い目に遭っていないけれど……」

アルマ:「(そういう筋からの依頼なのかもしれないな)」

GM:「貴族も血筋だけで生きていける時代じゃなくなったのかしらね。私の娘も、色々と苦労をしそうだわ」とため息をつきます。そんなところで中央区は終わりですね。

アルマ:ではスラムでも同様に調査します。

GM:では、またもや不審に見られつつゲートを抜けてスラム街へ向かう。スラムでは難易度18です。

アルマ:ほい、じゃあ今度は《クリエイトダークネス》のMPを払い、闇に紛れて幸運判定します。スラムだしそれっぽいね!

GM:そ、そうかもね。

アルマ:《ナイトロード》でダイスが一個増えて、6D判定です。(ダイスを振る)達成値は25。瘴気の力を解き放って、何故か運良く情報ゲット(笑)

GM:成功ですね。どう見ても金持ちそうなあなたへの視線はかなり危ういですが、ラッキーなことにやや健全そうな少年を見つけることができました。

アルマ:そうだね、燕尾服だもんね。その少年に声をかけるよ。「あ、ちょっといいかな?」

GM:「お兄ちゃん、誰? 貴族の人?」という少年の目からは侮蔑の感情が読み取れ、明らかに警戒されています。

アルマ:「いやそうじゃなくて、タダの冒険者なんだけど」……って燕尾服で言ってもあまり説得力がないね。

GM:「ふうん。まあ貴族なら貴族っていうよね。さっき変な魔法みたいなのも使ってたし」

アルマ:見られてるし、闇に乗じたのを。

GM:「こんなところに何しに来たの? ここには、なんにも、なあんにもないよ」

アルマ:「えーと、ちょっと聞きたいことがあってね。ポカソって人のこと知ってる?」

GM:「ポカソ……? ああ、貴族の偉い人でしょ」

アルマ:「そうそう、そのポカソ」

GM:「たまに、変なおっさんがポカソ様のお誕生日とか、結婚記念日とか言ってお金をばらまいてくるよ……僕は拾えたことないけどね。ここにいるごろつきどもが全部かっさらっていっちゃうんだ」

アルマ:「変なおっさん?」

GM:「変なおっさん。すごく派手な服を着た人が、すんごい強そうな人に囲まれて歩いてくるの」てか、単なるモブです。より具体的にはポカソの秘書みたいな人ですね。

アルマ:あれか、貧民層の支持も得ようとしているのか。

GM:うーん単なる気まぐれかもしれませんね。特に支持とか必要ないですからね。

アルマ:それほどお金があるという証明でもあるな。

GM:そういうこと、単なる暇つぶしの慈善事業ということです。

アルマ:「ふうむ、だったらもっと頻繁にお金をよこしてもいいのに」

GM:えーと他に聞きたいことはありますか?

アルマ:「キミはポカソのこと嫌いかい?」

GM:「別に。嫌いと言ったら、この街全部が嫌いさ。ここには何もないよ。楽しいこともないし、僕が生きていける保証もない」

アルマ:「(ま、そうなるよね)」

GM:「みんな偉い人のために偉い人のためにってうるさいんだ。あーあ、僕もいつか冒険者になって他の場所を見てみたいな……」

アルマ:「……冒険者はいいぞ、なんでも自由で自分の好きなように生きられる。俺も外の世界を知りたくて冒険に出たっけなぁ」

GM:「本当に? じゃあ僕も、お兄ちゃんみたいに生きてみたいな」

アルマ:「ああ、絶対なれるよ! 頑張れ!」

GM:「うん! 頑張る!」

アルマ:「色々ありがとな、これはお礼! そんじゃーな」といってMPポーションを一つあげるね。何に使うかわからんけど。

GM:「わあ! ありがとう! 大事にするね」って大事にするものなのか?

アルマ:むしろ今飲んだ方がいいかもね、栄養的に。

GM:じゃあ飲んでみよう。

アルマ:つか売ったら二週間くらいはご飯食えそう……とかは考えてはいけないのだ。

GM:そこは義賊に期待しましょう。「う……苦い……でも、これがきっと第一歩、ってやつなんだね」

アルマ:「そうだ! 少年よ大志を抱けッ!」

GM:さて、そんな感じで夢を語ったりしつつ、シーン終わりです。ではいよいよパーティーに参りましょう!

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