◆ミドル4◆白い理想と黒い虚構

GM:というわけで立派なお洋服と仮面を手に入れたアルマ。スラムの人の目線はより一層厳しくなりますが、ドアが吹っ飛ぶような店から無事に出てこられたので大丈夫でしょう。多分。

アルマ:その服と仮面を持って、ため息つきながら歩く。「はああぁ、何か厄介なことに巻き込まれちゃったなあ……でもまだ命は惜しいしなぁ」

GM:ちなみに現在時刻は午後5時とか6時とかですね。そろそろ薄暗くなってくる時間帯。

アルマ:ラグナは普段と変わらず、特に状況に危機感を抱いていない模様。その辺で拾った石かなんかを持って遊んでる。「あーあぁ、お前はいいよな、いつも楽しそうでさー。実はさっきの話は間違いでミシェルは超いい人! とかだといいんだけどなあ」

GM:そうだね、悪い人じゃないといいね。

アルマ:「盗みを働くために冒険者になったわけじゃないんだけど……。でも、まあきっとポカソは悪い貴族なんだな、人民の富を吸い上げているわけだし! そう思うことにしよう! スラムを救うんだ!」と、思い直します。

GM:このシーンはほぼ自由行動なので、行きたいところがあればご自由にどうぞ。

アルマ:パーティは明日だよねえ? うーん何しよう。

GM:ミシェルに会いに行くなり、買い物するなり、高いお店でせっかくだしご飯食べたり、ラグナと遊んだりできます。

アルマ:そうねえ、一応ミシェルに会っておかないといかんかな。さっきの仕立て屋との話があるからね。では、街の中央に戻るか。

GM:では中央ゲートに戻ります。またもや、いかつい男女が。「……ゲートパスをお持ちでない方のご入場は出来ません」

アルマ:そうだゲートパスを見せないとね。「ハイ」

GM:「……お預かりします」と言って、パスをしげしげと見たのち「……どうぞお入りください」と憮然として言います。若干納得がいかないようです。

アルマ:でしょうねえ。「……どもー」と言って、すたすたと中に入る。

GM:中央は相変わらずのきらびやかさです。もうすぐ夜が来るので、お店も準備で大忙しのようです。

アルマ:「また夜は夜で忙しそうだ」とラグナに呟く。とりあえず、メモの場所に行ってみるね。ミシェルが居るという場所へ。

GM:そこは非常に立派なホテルでした。タワーホテルみたいな感じですね。錬金術かなんかでどうにかしたと感じでしょうか。ミシェルがいるのは804号室です。

アルマ:「……やはり金にはがめついらしいな」

GM:中は広くて豪華絢爛、謎の噴水やらが無駄にいろいろあります。ザ・金持ち用。

アルマ:「(むしろ既にこれに着替えた方がいいんじゃね?)」って思いつつ、さっき貰った服を眺める。

GM:そうですね~、5万Gの元取ってもいいね。明日も着るけど。

アルマ:とりあえず、そのままの格好で8階まで行きますよ。

GM:もろもろ入り口で受付と会話したということで、若干怪しまれつつも8階へ。ミシェルの部屋に来ました。

アルマ:「色々聞いておかないといけないことがあるな……どうか、殺されませんように」と覚悟を決めて、コンコンとノックします。

GM:「はあい」と返事がします。そしてどすどすと大きめの足音がした後、ドアが開きます。そして、あなたの顔を見たミシェルは「あら……お待ちしておりました、アルマ様。どうぞ中へお入りください」と笑顔で言います。

アルマ:「や、やあ」とぎこちなく。「じゃあ上がらせてもらおうかな……」

GM:ミシェルの部屋はこれまた超々立派で、使わないのに洗面台とかがふたつあったりします。

アルマ:何故に(笑)

ミシェル:アルマの手持ちの洋服を見て、「ああ! 無事に仕立て屋の方とお会いできましたのね。なかなか変わった方ですから、いろいろと心配しておりましたの」

アルマ:「……うん、色々と……その、話を聞いてきたよ……えーっと……ブリュン……ヒルデさん?」

ミシェル:「あら……」とやや顔をこわばらせます。「うふ、お恥ずかしいですわ。あの方、私の昔話をなさったのかしら……」恥ずかしいというよりは怒っている感じがあります。

アルマ:「結構お金がお好きみたいだね? この部屋も相当立派みたいだけど」

ミシェル(以下ブリュンヒルデ):「いえいえそんな。お金はあって当然のものですから」

アルマ:「そ、そうなの?」

ブリュンヒルデ:「ええ。何かと生きていくうえでは入り用ですし。私のお母様やお父様にも楽をさせてあげないと……」と窓の方を見やります。

アルマ:あら、それは拾っとこうかな、嘘だろうけど(笑)「えっ……もしかして両親が何か病気とか?」

ブリュンヒルデ:「いいえ、今はまだ二人とも元気ですが……いつ何がどうなるかわかりませんもの……」と物憂げ。

GM:ちなみに彼女の両親は二人ともレパータルで、あと170年ぐらいは生きると思います。

アルマ:そうなんだ、めっちゃ健康だね(笑)

GM:大健康です。趣味はエターナル盆踊りです。

アルマ:「あと……これは確認してなかったこっちが悪いような気もするんだけど、ポカソの家に行って何をすんの?」

ブリュンヒルデ:「もちろん。晩餐会に参加いたしますわ」と微笑みます。

アルマ:「……何か、その、さっきの仕立て屋さんが言うにはいわゆる『盗み』をするお仕事らしいんだけど……その辺はどうなの?」

ブリュンヒルデ:「盗み……言い方によっては、そうかもしれません」

アルマ:「……やっぱり何か理由が?」

ブリュンヒルデ:「……実は、私たちの組織は恵まれない子供達の支援をしておりますの。あなた方も見たでしょう。スラム街の人々の、すさんだ目を……」

アルマ:「そうだね、アレは富を集中させる貴族制度が悪いんだと思うけど……で、でも、そんなこと……さっきの人は一言も言ってなかった……」

ブリュンヒルデ:「あの御方は恥ずかしがり屋ですから……見知らぬあなたに余計な事情をお話ししたくなかったのでしょう」と窓の方に歩き出して「そう! 私たちは今を生きる義賊なのです!」と。さらにアルマの方へ振り返って言います。声のトーンを下げて「……そのついでに、私たちもいくばくかお金をいただくということで」

アルマ:「そうか……スラムの人々の生活のために盗みを……」

ブリュンヒルデ:そのまま続けて、「アルマ様が落胆なさっておられるのは重々承知しております! でもどうか、どうかこの街にひとさじの希望をもたらしてあげたいのです……」と言って泣きます。「うっ……(金欲しい……)ううっ……(金欲しい)……」

アルマ:本音注意(笑)「そんな立派な目的があったなんて……ゴ、ゴメン! 俺勘違いしてたみたいだ」

ブリュンヒルデ:「いえ、いいんですの……盗みは盗み。私たちも覚悟してやっておりますから」

アルマ:「その志、俺は感動しました! ぜひスラムの人を救うのを手伝わせてくれ!」といってブリュンヒルデの手を握り、ぶるんぶるん振るう。

ブリュンヒルデ:「ありがとうございます。ではまた明日よろしくお願いいたします……」とハンカチで涙を拭います。

アルマ:「うん、悪の貴族から民衆の財産を奪い返そう! ラグナ! 俺はやるよッ!」それを受けてラグナも元気に鳴く。

ブリュンヒルデ:「それではアルマ様、どうか今日はひとりにさせてください」

アルマ:「あ、勝手に押しかけて疑ってゴメンね! うんじゃあまた明日」と言って帰ります。

GM:というところでシーン終わりです!

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