第17話

桐山 諒 side


結局、解放されたのは最終下校時間のチャイムがなった頃だった。

葵くんの話長すぎる……。

そして最後に何故か、渡される千坂の連絡先。

なんで葵くん持ってるのさ……。

千坂に許可はとったと言ってたからいいけども。

俺にどうしろと……。

……パウンドケーキの礼でも言うべきか。


『千坂さん。桐山諒です。千草先生に連絡先を聞きました。

パウンドケーキ美味かったです。ご馳走様でした。』


これで、いいかな?

てか、マジで美味かったんだよな。

結局葵くんに呼び出されたから、保健室で紅茶入れて食べたけど。

あんな美味いもんは初めてくった。ってくらい。

大げさかもしれないけれど。

それぐらい、美味しかった。



千坂 璃乃 side


ブーッブブッ

家に帰り布団にダイブし、一人悶えていたらスマホが鳴る。

誰だろ、望帆かな?

チラッと見た感じ、表示されているのは望帆のアイコンではなかった。

誰だろ?知らない人?

画面を恐る恐る覗くと、さっきまで頭の中から離れなかった、桐山くんだった。


「なんでっ連絡っ……知ってっ……!……ちー先生か!!!」


自問自答したあと画面を見ると、ビンゴ。ちー先生だった。

勝手に教えたのか……。

いいけども別に……!!

私の心臓が持たない……!!!!


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る