第16話

「てかあんたさ、璃乃ちーに恋してんの?」

「…………は?」


ちょっと脳の処理が追いつかない。

なんだよ璃乃ちーて。千坂のこと、ってのは理解出来たけど……、仮にも教師がその呼び方ってどーよ。

ありなのか?

つか、あれ、え?恋してること、バレた?


「なによ〜可愛いわね〜。」

「キショい」

「ころす」

「ごめんなさい」


ころすの返事まで0.01秒くらいじゃねかった?今。

葵くん相変わらずこええんだけど……。


「で?いつから好きなの?どこが好きなの?」

「いつからとか、正直覚えてねえ。保健室に運んできた時には既に好きだったしな。」

「あぁ!あのあんたの問題発言の日!」

「そんな言い方すんなよ!!」


あの日のことはいま思い出してもかなり恥ずかしい。

なんであんなこと言ったんだろうな。

食べちゃうぞ。とか、お姫サマ。とか。

うわくそ恥ずかしい。穴があったら埋まりたい。


「どう考えても問題発言じゃな〜い。恋人でもない女の子に、食べちゃうぞ。とかお姫サマ。とか。どこの少女漫画よも〜。」

「いちいちいうなセリフをやめろ悶えるな……」

「なにー?照れてんのー?可愛いー(笑)」


そう言って頭を撫でてくる葵くん。

子ども扱いされてるみたいで結構嫌なんだけど。

断ると、怒られる。謎。


「はぁ〜私もそんな恋がしたいわ〜」

「この前言ってたあいつは?」

「あいつね!!聞いてよもー!!!」


葵くんは、この手の話をふると、止まらない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る