第18話

よくよく考えると、なんで心臓がもたないのか。

桐山くんから連絡がきただけで、なんであんなにドキドキしたのか。

……ちー先生のせいだな。

『恋』とか言い出すから……。

そんなのじゃない、と思うんだけどなあ。

そもそも恋がわからないけれど。

好きって何。恋って何。このドキドキは何。

迷宮入りだわ……。




そんなこんなで考え込んでいたら朝になりましたとさ。

え。早くない?もう朝?え?え??

あー……体調最悪なパターンだ。

全然寝れてないし。

保健室行っとこうかな。

あ。だめだ、今日古文あるじゃん。

週3のうちの一回が……!

1限だけでもでよう……!


朝学校に行くのにも一苦労だった。

やばい、しんどい、

体が重い。

なんで、私たちの教室って3階なんだろう……。階段辛い……。

あまりの体調の悪さに、階段の中頃でバランスを崩した。


あ、やばい、バランス崩した……落ちる……!


落ちた衝撃に耐えるためにぎゅっと目を瞑るが、衝撃はなかなか来ない。

ゆっくり目を開けると、桐山くんの顔が目の前にあった。

リノノ アタマハ コンランシテイル


「大丈夫か?」

「あ……、うん……。」

「どっか捻ったか?」

「や、たぶん、大丈夫……。」

「そうか。よかった。」


ふわっと安心したような顔で微笑む桐山くん。

左胸の奥がキュンってなった。

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