第6話

No.6 俺の場合。 猫宮 萩


最初は気にならなかった。

背の高い女の子だなぁくらいにしか思っていなかった。

でも、関わっていくうちに、気づけば目で追っていくようになっていた。

ももちーと話をしながら、嬉しそうに笑うけど、どこか悲しそうな表情とか。

楽しそうに話していたのに、ふとももちーに気づき熱っぽく見つめているような表情とか。

先輩の方を見て、イラついているかのような表情とか。

それを見ているうちに、惹かれていった。

俺に、その表情を見せてほしい。俺にだけ、笑顔を向けてほしい。


「おっはよーござーあーす。」

「おー、おはよーももちー」

「もー先輩、やめてくださいよーその呼び方ー。」

「仕方ないじゃん、この部活、あだ名で呼ぶ決まりだから(笑)」

「…………。」


あーあ、きよちゃんおこだ。

機嫌悪いなあ。

先輩のせいだわ。

まぁ、どうしようもないけど。



「僕そんな可愛いキャラじゃないっすよ。」

「えー、かわいいよ?ももちー。」


とうとう我慢ならなかったきよちゃんが、ももちーに声をかけた。


「オハヨ、相沢。」

「っはよーすももちー」

「おっはよー清香に萩ちゃん。」


きよちゃん、嬉しそう。

きよちゃんのあだ名は『きよちゃん』

でも、ももちーだけは『清香』呼び。特別感。

まぁ、ももちー何も考えてないんだろうけど。


それで、喜ぶきよちゃん、可愛いなぁ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕らの恋の行方 柚雨。 @yuu_1527

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ