コラボ企画 野人転生VSエステバン

好色転生ヤジン

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こちらは小説家になろうで大人気連載中の野人転生とのコラボ企画です。

本編とは無関係の内容になります。

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 俺の名は野崎人志のざきひとし

 名前と言動から野人って呼ばれてる。


 トラックにひかれて異世界に来たはいいんだが……ロクな所じゃないわここ。

 なんつーか、文化とかモラルが低すぎるんだよな。


 町に行ったら騙されて殺されかかるし、かと言って森に隠れ住んだらモンスターだらけ。


 俺が生きてこられたのは腕に覚えの空手と、サバイバルの知識があったからだ。

 見ててよかったディスカバリー。ありがとう、ベア先生。


 こんな状態だから俺の持ち物は自作の腰簑こしみのだけだ。

 服なんて贅沢品ねえよ。体に泥を塗って虫刺されを防ぐくらいしかできねえ。


 そんなこんなで拾った子犬のパピーと森でひっそりとサバイバルをしていた――はずだった。



 ある日のこと、森を走り回っていたパピーが背中に何か乗せてきた。

 人形だろうか?

 子供が着せ替えで遊ぶようなサイズ感だが、この世界でこんな精巧な人形が森で落ちているものだろうか?


 俺はまじまじとパピーの背中を観察する。


 金髪の可愛らしい感じの人形だ。

 緑のベレー帽と黄色いワンピースを着ている……よくわからんが、お嬢様コーデってやつだろうか。なかなかオシャレだ。


「やあ、キミがこの子の飼い主?」


 ……喋った!?


 俺は慌てて立ち上がり、距離をとる。

 見知らぬモノは警戒するにこしたことはない。


「あっ、驚かせちゃった? ボクはレーレ。キミの名前は?」


 まさか、ロボットではないだろう。

 小人だろうか?

 そんなバカなとも思うが、魔法のある世界だ。小人くらいいても不思議じゃない。


「あれー? 言葉が通じない? ゴブリンなのかな?」


 小人? が首をかしげるが、なかなかあざとい動きだ。

 油断を誘うための擬態だとしたら危険な相手だ。


「ねえねえ、言葉がわかる? カ、スデンリブ、ゴ、ハタナア?」


 何か聞きなれない言葉を話し始めたが……ゴブリン語だろうか?

 良くわからないが挨拶くらいしないとゴブリンにされそうだ。


「……ぉお、おでゴブ、ゴブリンちが」


 くっそ久々に言葉を発したらメチャクチャ噛んだ。

 長いこと会話しないとこんな風になるの俺だけだろうか?


「わっ、ゴブリンなのに人間の言葉がわかるんだ! すごいね!」

「こ、こ、言葉、わ、わがる」


 この世界に来て数少ない女性(?)との会話に緊張しながらも俺は警戒を解き、コンタクトをとることにした。

 レーレと名乗る小人もパピーからピョンと飛び降りて「ありがとねー」などと撫でている。

 サイズ感がうらやましい。俺も全身でモフりたい。


「さて、レーレさん……だったかな? 俺はヤジンだ。その子はパピー、たぶんグレイウルフの幼体だ」

「よろしく、ヤジン、パピー」


 レーレが小さい手を差し出してきたので握手をする。

 この気安い雰囲気でボディタッチしてくる感じ……小人じゃなかったら勘違いしてそうで怖い。


 聞けば彼女は仲間と旅をしていたが、森の中ではぐれてしまったらしい。

 困ってウロウロしていたところをパピーが見つけ、俺のところに連れてきたのだとか……パピーの行動範囲から考えるとそれほど離れた場所ではないだろう。


「仲間も小人なのか?」

「ううん、違うよ。人間と森人エルフなんだ」


 レーレの話によると仲間は人間の冒険者と可愛くてドジな森人らしい。


 俺は今まで森人を見たことないが、やっぱりいたんだな……すごく興味をかきたてられる。やっぱり耳が長いのかな?


 しかし、もう一人の仲間ってのが気にくわない。

 この冒険者ってのがドラゴンやアーケロンを単独で仕留める凄腕冒険者で、甘いマスクに筋肉モリモリ、さらに賢者の称号をもち魔法も使えるインテリらしい。

 なんだそのチート野郎は。


 しかも、レーレと恋人でありながら森人の女の子とも付き合ってて浮気もしまくりだとか……なめてんのか、俺がこんなに苦労してる世界でエンジョイしやがって。

 知らないヤツだが許してはおけない。


 ……ん? 待てよ? レーレの恋人で人間?


 なにやら引っ掛かりを覚えるが……ひょっとしたらファンタジーのお約束的にレーレは人間サイズになったりするのだろうか?

 聞いてみたい気もするが、初対面の女性に彼氏のことを聞くのもデリカシーが無さすぎる気もする。


 俺は改めて横目でレーレの全身を視姦した。

 服でラインは隠れているものの、女性らしい部分は自己主張がある……スタイルはかなりいい。


 この世界にきてからロクに女性と接点を持たなかった俺自身がムクリと反応してしまった。


 つい『顔つきも可愛いし、人間サイズになれば良い女だろうな』と考えた瞬間――体内からすごい勢いで『何か』が吸い出される感覚と目眩めまいが俺を襲う。これには覚えがある。


 思わず「まさか」と驚きが口をつく。

 慌ててステータス(※野人転生にはステータスがあるのだ)を確認すると――



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レベル20


《スキル》

空手、投擲、野人流小刀格闘術、気配察知、気配隠蔽 、五感強化、毒耐性 、麻痺耐性、裁縫、解体


《称号》

怪物、中二病、新種のゴブリン、M字ハゲ進行中


魂魄こんぱく契約》

パピー、レーレ


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 ……え?


 なんか契約のとこ増えてるけど……? ええ……?


 チラリとレーレを見るが、少し驚いた様子だ。


「ふうん、ヤジンってそうなんだ?」


 レーレは今までの表情とはうってかわり、左の人差し指で唇を押さえながら妖艶に笑う。


「こんな小さい女の子に欲情するなんて、とんだ変態さんだね」

「ち、ちが……」


 慌てて否定するも、説得力はないだろう。

 彼女は俺の異変に気がついているはずだ。


「いいよ、してあげる」

「え、なにを――」


 いつの間にか俺の体にツタが巻きつき、手足の自由を奪うようにして木から吊り下げられた。


 ……しまった! 油断した!?


 可愛らしい女の子の姿と会話に油断してしまった。

 完全に死に体……殺されるかもしれない。


「ふふん、いい眺めだね。絞りつくしてあげる。一晩で白髪にしてあげるよ」


 俺はかろうじて身をよじり「逃げろ、パピー」と、かすかに告げるのが精一杯だった。




――――――




【エステバン】



 ここは、とある森のなかだ。


 俺たちは旅の途中ではぐれたレーレを探すために追跡の魔法を使いながら進んでいた。

 しかし、途中で小型のモンスターの足跡に切り替わり、レーレの追跡ができなくなっていたのだ。

 現場には争いの形跡もなかったが、なにかトラブルに巻き込まれているかもしれない。


 ……レーレには戦う力はない……これはまずいぞ。


 焦りが冷や汗となり、俺の背を伝う。


「エステバン、あっち、なにか聞こえる!」


 シェイラの長い耳がぴくりぴくりと動く。

 どうやら異変を察知したようだ。


「どんな音なんだ?」

「会話と、苦しそうな声……? 人間の声だと思う」


 良くわからないが、他に手がかりもない。

 俺たちは音を立てないように、慎重に歩を進めることにした。


 進むことしばし――


「ほらほら、どうして欲しいんだい?」

「く、くださいっ、レーレさまっ! お慈悲をっ!」


 ――そこには見知らぬ男を責め立てるレーレがいた。


 とんでもない姿勢で木に吊るされた男はアジア人風、こちらではあまり見かけない顔つきだが、それがレーレの興味を引いたのかもしれない。


「うわ、はたから見るとエグいな」


 思わず思考が漏れた。

 シェイラもはじめは「え、解体? 拷問?」などと首をかしげていたが、レーレの行いを見て思い当たったらしく耳まで真っ赤にしていた。


「なにしてるんだっ! え、エッチなことは知らない人としちゃダメだ!」


 シェイラの思わずといった風情の言葉でレーレがこちらに気がついたが「よっすー」みたいな軽いノリだ。

 下着姿のままへらへら笑って小さく手を振っている。


「ほらほら、お客さんに見られてるよっ? 誰に何を見られてるか説明してみなよ」

「ぎひい、知らないイケマッチョとエルフの美女に見られてますっ! 恥ずかしい、す、姿をっ、見られてますっ!」


 うん、なんというか……ドン引きだな。


 シェイラは「あ、あんなとこに……ええっ?」などと呟いている。

 顔を両手で隠しながらもシッカリと観察しているようだ。


「へえ、シェイラはあんなのに興味があるのか? してみたいのか? それとも、されたいのかな?」

「ち、ちがっ」


 俺がセクハラをするとシェイラは内股になってもじもじとしはじめた。

 この手のことにうとかった彼女も最近はなかなかいじめがいがある反応を見せてくれる。


「欲しがり屋さんだねえ、コイツが欲しいのかいっ!」

「ぎひい」


 レーレの責めはやむところを知らず、激しさを増す。

 俺も負けてはいられない。


「シェイラ、ところで……コイツをどう思う?」

「ぎゃー! な、な、なんで出してるんだよお!」


 いつの間にか現れた子犬が、呆れた様子で俺たちの痴態を眺めていた。




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ヤジン


野人転生の主人公。

本来は容赦のないサバイバルと空手の解説がウリのハードな作品の主人公だ。

この後、ボロ雑巾のようになるまで蹂躙されたが、レーレは事後に小銭を握らせたらしい。後腐れはなしだ。

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