27-198

 一つ疑問が生まれた。我々は誰の子であるのか? はじめから考えてみよう。王は神龍との闘いに勝利し、大陸の王たる資格を得た。そして、先代、ひいてはその子孫の命と引き換えに永遠の生を受けた。言うまでもなくこれが原初契約である。するとこの時すでに、先代には子があることになる。一般的には無名の同職者との間に為した子と考えられているが、果たしてそうだろうが。この日記を紐解く限り、先代と王の間にはただならぬ関係があるように思われるのだ。彼女は世界のためなどといった曖昧なもののためではなく、ただ一人の「男」のために己の命を賭したのではないか。これはまだ仮説であるが、十分検討するに値する説だと思う。

 しかし、これは危険な考えだろう。王は交わってはならぬ。これは王自身が定めた絶対的な掟である。当然だろう。生まれた子は、この国に災厄をもたらす存在でしかない。ましてやその子に我らの血が流れていようものなら。

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