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 ユリウス帝は私のことをいたく気に入っているようだ。先日は公務でお忙しいにも拘わらず、私のところへわざわざ足を運んで下さった。最近は帝を暴君などと呼ぶ輩も増えてきているが、そういう奴らは彼に会ったことがないか、もしくは目が節穴かの二つに一つである。帝の瞳はどこまでも先を見通している。

 そして帝は私に期待している。私がどういった女であるかを見抜いた上でだ。掌の上で踊らされているようで悔しくもあるが、ここまで敵わないとなると逆に清々しくもある。ならば私は喜んでこの身を捧げよう。彼はそれに足る英雄だ。

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