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6−6 対決」への応援コメント


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    お疲れ様です紅月さま!

    『6−6 対決』拝読しました。

    さて――

    この世界にやって来た『先人』はなかなかのやり手だったようですね。もしかしたらかなり早くに王権による国家の絶対的支配(ルイ14世時代のフランスのような)が確立され、王権に対する貴族の影響力が失われていたのかも知れません。
    でなければ、領主の専権事項である裁判権に『上告』なんて制度は作れません。つまり、この世界には国家共通の刑法なり民法なりが存在しているということです。
    しかも、その法は一般庶民にも適用される(やろうと思えば庶民でも領主の下した判決に異議を唱え、より高位の司法機関に訴えることができる)。
    異世界人による介入があってこそなんでしょうが、絶体王政と民主主義の奇妙な融合が面白いと感じました。

    もうひとつ――

    ~以下、本文より引用~
    「逮捕状はあるの?」

     私兵隊隊長とリーダーの睨み合いに、リリーが冷静な調子で状況を確認する言葉を投げる。

    「さっき、貴方は「バルモンド卿の令だ」とは言ったけど、逮捕状は出さなかったわね? 現行犯以外では領主貴族にも逮捕権はないはずよ。まず、衛兵に通報して、事件性が認められれば逮捕状が発行されて……

    ~引用終わり~

    逮捕状があるのか、という台詞があります。
    ここで言う逮捕状とは、文面からして領主による捕縛命令書ではなく、『逮捕令状』のようです(市民らによる通報→衛兵による捜査→犯罪性の確認→令状の請求→衛兵、貴族私兵による逮捕という流れが説明されている)。

    令状主義を取る場合、日本では令状を発行するのは裁判所です(因みにアメリカは警察官が『十分犯罪性がある』と判断すれば、令状なし逮捕に踏み切れる)が、この世界は多分領主が裁判官を兼ねる(地方の司法機関があるという描写がないため)のでしょう。

    本来の令状主義は、警察権による権限乱用を抑止し、市民の権利を守る目的がありますが、警察権と司法権を併せ持つ領主が令状を発行できてしまったら、あまり意味がない気がします。

    それにしても、冒険者パーティーの皆さんは法に詳しいんですね。冒険者なんて荒事をやっていれば法律すれすれを行くこともあるでしょうし、冤罪で不当逮捕されることもあるでしょうから、ギルドが教育しているのかもしれません。

    いずれにしても、今回は私兵側の準備不足、勇み足でしょうね。伯自身が動いていれば矛盾や齟齬なくやれるでしょうから。

    面白かったです!
    次回が楽しみです。

    作者からの返信

    榎原様、いつもコメントありがとうございます。

    絶対王政から封建統治への以降に際して、何らかの干渉があったのでしょうね。こういった『歪さ』が個人的には好きです。

    さて、そのような干渉があっても、存在しない物は存在しない。干渉があったからこそ、逆に王家の立場は強いまま。三権分立なんて物は、残念ながら中途半端な形に落ち着いている様です。
    無理矢理当てはめるなら、王が立法、領主が司法、行政。そんな領主の暴走を止める為に派遣されているのが、衛士というストッパーです。
    しかし、王家直轄地では三権全て統治者が握ってるんですよね。そんな強権の代理に臨時で着いてしまったら……。

    これは作者の願望ですが、誰が何を主張しているのか、どこに着目しているのかも見て頂けると面白いかもしれません。