お疲れ様です紅月さま。
「6−5 衝突」拝読しました。
――さて。
アデルの野心が吐露されましたね。ちょっと唐突な気がしました。
彼の言う「庇護」はあくまで奴隷のオーナーとしての「庇護」なので、所謂奴隷解放とか、奴隷制度の否定では無いようですね。所謂、我々の社会で言うところのセーフティネットの構築が目標なんでしょうね。
この世界の奴隷とは、戦争奴隷や人種的奴隷(造語)ではなく、経済活動の行き詰まりによる貧困奴隷(造語)です。彼等を買い取り、教育を施し、職業を選択させて派遣する……その報酬の一部を会社の収益とする。所謂派遣会社ですね。
奴隷は自身の買い取り額その物が会社に対する借金であり、それを返済するまで会社の「庇護」のもと労働する。(完済の見込みがあるとは言っていない)
今の奴隷商は育てて売ったらそれ以上その奴隷から収益をあげることはできませんが、このシステムなら同じ奴隷から継続的に収入を得ることができる――スレイブビジネスの新しい形になりそうですね!
さて、支配階級から謂れのない横槍がきました。
思ったより事が大きくなっているので潰してしまおうという魂胆ですね。前に「できた街はあんたになんかやらない」と喧嘩売ってますし。
普通なら喧嘩は避けるところですが、アデル君は無茶するんだろうな……
面白かったです!
追伸。前回都市計画について語りすぎました。申し訳ございません。
作者からの返信
いつもコメントありがとうございます。
いよいよ事態が動くとあって引っ込みが付かなくなった。
そんな決意と覚悟の描写が不足していたかもしれませんね。失礼しました。
4章終盤や5章以降、特に6章に入ってから彼の行動と思考は地味ながら様々な変化があり、やっと、といった感覚が私の側にはあったのですが……。やはり、難しい物ですね。
しばらくは、このままの形にしておこうかと思います。
楽しく読ませていただいております。
毎度密度の濃い内容に感銘を受けます。
奴隷商人相手にいきなり演説まがいの交渉を始めて何事かと思ったら、こういう深謀があったのですね。
このようなアイデアをひねり出す主人公が周囲からどのように見られているのか、他者視点の話も読んでみたいです。
作者からの返信
コメントありがとうございます。
あまり密度が濃いと逆に読んでいて疲れてしまうかと思われます。
この辺り、執筆力の未熟を痛感する次第です。
奴隷商相手に啖呵を切った頃は、口ばっかりの「詐欺だ」と強く自覚した上で、それでも目の前の事象にどうすれば手を出せるかと、精一杯足掻いていた主人公です。
しかし、協力者や理解者を得るにつれ、「引き返せない」という認識とともに、以前より強く、「なんとかしたい」という漠然な願いでは無く具体的な目標として意識する様になった……。
そんな彼のちょっとした成長を、楽しんで頂けたなら幸いです。
他者視点は『形無き宝石』で書かせて頂いておりますが、あちらはまだ一章回りをゆっくりと綴っている所ですね。
筆が遅くて申し訳ありません。