(過激描写注意)最後の夜(ハーゲン視点)

※何度も繰り返すようですが、この話はパラレルワールドです。

 なお、と予告させていただきます。

 大体有原のせいですね。フフフ。




「ハーゲン。交代の時間です」

「おっ、コウか。それじゃあ、頼むぜ」

「引き受けました。やるぜ、ミハル姉さん」

「ええ」

 ハーゲンは一軒家の防衛をコウとミハルに引き継ぐと、リナリアを降りた。


「さて、寝るかな」

 自室に到着すると、そのままベッドに潜り込む。

(……ん?)

 と、クローゼットから異音がした。

(侵入者か……?)

 ハーゲンは拳銃を構え、照準をクローゼットに合わせる。

「ゆっくりと扉を開けて出てこい、侵入者! いるのは分かっている!」

 警告しつつも、引き金を引く一歩手前まで指をかける。

 と、扉が開いた。


「あら、恋人に対して随分荒っぽいわね? もう少し優しいアプローチを期待してたのに」


「ネーゼ……様!?」

 “侵入者”の正体は、アルマ帝国第一皇女ネーゼ・アルマ・ウェーバーその人であった。

「びっくりさせようと思ったのですけれど、駄目でしたわね。流石現役軍人のハーゲン、容易く気づくなんて」

 悪びれもせず、ゆっくりと出てくるネーゼ。

 当然、ハーゲンは既に銃を下ろし、仕舞っていた。

「うふふ、けれど銃を向けられた事で、ドキドキしてますわ」

 ネーゼがハーゲンの首元に腕を絡め、耳元で囁く。

「それはもう、本当に

 剣呑とした内容ではあるが、ネーゼの感情に“恨み”は存在しない。

 むしろ今満たしているものは、“感謝”だった。何故か。

「だからこそ、安心して貴方の子供を孕めるわ。ね、ハーゲン?」

 そう。


「これが最後の機会」と悟ったネーゼは、、ハーゲンとの子供を宿す事を決意していたのだ。

 今を失しては永遠に会えず。そう心したネーゼの覚悟は、固いものであった。


「えっ、ネーゼ様?」

 突然の言葉に一瞬思考を奪われていたハーゲンだが、気づいた時にはズボンを下されていた。

「ちょ、やめ……あぁ……」

 一度決意したネーゼの意地の張りようは、帝国随一だ。やめるはずがない。

「ネーゼ、様……これ、以上、はっ……!」

 ハーゲンが限界を訴えるが、驚くことにネーゼは素直にやめた。

「まだ早いわよ。こっちにいらっしゃい」

 と、ネーゼはを指で差した。

 ハーゲンの視界がそちらに移ると、ネーゼは霊力を纏って強引に引きずる。

「うわっ、ネーゼ様……!」

 凡そ100kgの体重などものともしない、霊力で強化した腕力でもって、ネーゼは恋人ハーゲンをベッドに倒れ伏せさせた。

「っ……!」

 柔らかいベッド故、ハーゲンに怪我などは無いが、沈み込む羽目になった。

 呆然としている間にも、ネーゼは自らの纏うものを暴いている。

(逃げなくては……。しかし、体が言う事を聞かない。やはり、男故だという事か……?)

 ハーゲンは、言葉にするには憚られる要因故にまともに機能していない思考でもって、状況を分析する。

 と、ネーゼが上にのしかかってきた。

(……!)

 眼前の光景を見てハーゲンが思った事は一つ。

「食われる」という事だ。

「ひっ……!」

 軍人故の鍛えられた精神を持つハーゲンでさえも、耐えかねたような悲鳴が漏れる。

「うふ、ハーゲン……。では、いただくわね」

 それがネーゼの理性を吹き飛ばす、起爆剤と化した。


     *


「………………!」

「あんっ」

 三時間後、ハーゲンが十度目の、こらえきれなかった声を上げる。

「はぁっ、はぁっ……」

「はぁ、はぁ……うふふ、ハーゲン。お疲れ様」

 ハーゲンの下で、ネーゼが微笑む。

 最初の時とは見かけ上立場が逆転し、しかし実際は最初とは何一つ変わっていなかった二人は、互いを抱きしめたまま崩れ落ちた。が、横向きの姿勢になっている為、重みで押しつぶされる事は無い。

 疲れで意識をシャットダウンさせられたハーゲンを見つめるネーゼは、未だに微笑んでいた。


(ふふ……。これで、わたくし達は、永遠に……)


 ネーゼは右腕をゆっくりとハーゲンから離すと、自らの腹部を愛おしそうに撫でていた……。



作者からの追伸


 有原です。

 こちらも終わらせました。


 え、あっさりし過ぎている? 申し訳ございません、描写に注意したらこうならざるを得なかったのです。

 応援コメントによるご希望などがございましたら、別の機会に過激なものをお作りいたしましょう。

 しかしまあ……


 ネーゼ様の意思がカチコチ過ぎる! ダイヤモンドかよ!?


 自分でそのように書いておいて(正確には、暗黒星雲様から頂いた情報をベースとして、でありますが)、改めて思い知らされました。


 ここからは脱線します。

 ネーゼ様のダイヤモンドな意思を思い知って、「自分で自分の作品に対する難易度を上昇させる」などという暴挙(愚行とも言う)に出た結果となりましたね。

 まあ、「ある時をきっかけに、ずっとAという思考にあった者が、真逆のBという思考にのめり込む」という事はよく聞くので、いざとなったらそれを採用すれば良いのですが。

 ああ、これは自主企画にあるまじき“内輪のネタ”でございます。フフフ。


 さて、寸劇を入れるとしましょうか。

 ブレイバとブランシュの出番を、もっと増やしてあげませんとね。


     *


ブレイバ

「遂にヤっちゃったね」


ブランシュ

「あぁ、お二方(お母さまネーゼお義父様ハーゲン)……」


ブレイバ

「あれって、誰を宿すんだろ」


ブランシュ

「うーん……あら? 仮面の殿方? 何でしょうか? え、『これを読め』? わかりましたわ」


ブレイバ

「どうしたのさ、姫様」


ブランシュ

「仮面の殿方曰く、『もしご懐妊された場合、宿すのはブレイバ君でございます』だそうな」


ブレイバ

「ええっ!? 僕!?」


ブランシュ

「まだ続きがございますわ、騎士様。曰く、『年齢が7歳程早まるけど、それ以外にズレは生じないからそのまま物語として進めるのもいいよね。もっとも、これに関しては完全なるイフだから、書き起こそうともしないけど』だそうですわ」


ブレイバ

「ほっ、良かった……。ところで、その『完全なるイフ』をするとしたら、姫様はどうなるのだろう? ってあれ、また君かい、仮面の男?」


ブランシュ

「何かを手渡されましたわね、騎士様」


ブレイバ

「読み上げるよ。『そうなった場合、ブランシュ殿下はネーゼ様の養子となります。こちらは1年前倒しで、ですが。ちなみにブレイバ君は、ハーゲンとネーゼ様には認知されておりません。隠し子扱いです』だってさ。ひどいや」


ブランシュ

「精一杯の方法を取られた結果ではないのでしょうか?」


ブレイバ

「まあね。隠し子にしなけりゃ、多分その“イフの世界”の僕は殺されてただろうし」


ブランシュ

「難しいものですわね。愛はそう容易く報われない、というものでしょうか……」


ブレイバ

「もっとも、けどね。皮肉な事に」

※ブレイバ君は、「育ての親が結ばれない」とは一言も言っておりません。

 ただし、


ブランシュ

「そうですわね、騎士様」


ブレイバ

「うんうん。それはさておき、まったくもう……仮面の男の妄想も大概にしてほしいよ」


ブランシュ

「まあまあ。ここは一つ、わたくしと……」


ブレイバ

「いいね」


 この後滅茶苦茶(以下省略)


     *


 はい、今回の寸劇は「イフの世界線のブレイバ&ブランシュの設定を考えてみたらどうなるか」というものでした。

 では、今回はここまで!

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